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ノウハウ 【2024年1月義務化】電子帳簿保存法改正はいつ?要件を徹底解説!紙との共存が運用課題に

更新日:2023年11月21日

投稿日:2023年05月25日

【2024年1月義務化】電子帳簿保存法改正はいつ?要件を徹底解説!紙との共存が運用課題に

【2024年1月義務化】電子帳簿保存法改正はいつ?要件を徹底解説!紙との共存が運用課題に


2024年1月1日から、電子帳簿保存法の改正に伴い電子データで受け取った取引データは電子データのまま保存することが義務化されます。

では、どのような書類が対象、要件となり、どのように作成・管理すればいいのでしょうか。電子化はどのように進めればよいのでしょうか。


今回は、電子帳簿保存法の概要や対象書類、契約書の取扱方法などをわかりやすく紹介します。

 

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そもそも電子帳簿保存法とは?

 

電子帳簿保存法とは、「事業者が扱う書類の電子的保存を推進する法律」です。

電子帳簿保存法は、1998年に施行された法律で、正式には「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律」といいます。

 

この法律の目的は、国税に関する情報を行政が効率的に収集すること、およびペーパーレス化により事業者の業務を効率化することにあります。

電子取引のデータ保存義務はいつから? 

2021年に行われた改正により、ほぼ全ての事業者が、2023年末までに電子帳簿保存法に対応する環境を整備しなければならなくなりました。

2年間の猶予期間の後、2024年1月1日から、改正電子帳簿保存法に則った書類保存を行う必要があります。電子帳簿保存法に違反した場合、以下のような罰則を受けることとなるため、注意が必要です。

 

【罰則】

  1. 追徴課税を受ける
  2. 青色申告承認を取消される
  3. 100万円以下の過料を課される

    国税庁は「電子帳簿保存法に違反しても、直ちに青色申告承認が取消されるわけではない」としています。

参照:電子帳簿保存法一問一答 – 国税庁

 

また、2023年度税制改正大綱では、2024年以降も対応していない場合であっても、以下の要件の全てを満たす場合には、電子的に作成された取引関係書類を紙で保存することが認められるとされています。

 

    • 要件① 保存要件に従って保存することができなかったことについて相当の理由があると所轄税務署長に認められること
    • 要件② 税務調査時に要求されたデータのダウンロードの求めに応じること
    • 要件③ 税務調査時に整然とした形式および明瞭な状態で出力された書面の提出または提出の求めに応じられること
      【参照:令和5年度税制改正の大綱 – 財務省】

しかし、現状では「相当の理由」がどのような事情を指すのかは明らかではありませんし、税務調査が入ると対応に追われるなど業務進行に支障をきたしてしまいます。

 

リスクを最小化するためにも、2023年末までに適法な書類の処理ができるようにしておきましょう。

改正電子帳簿保存法をわかりやすく解説

改正電子帳簿保存法では何が変わるのでしょうか。改正後のポイントを分かりやすく解説します。

改正のポイントは6つ

電子帳簿保存法改正のポイントは主に、6つです。

 

社会において、高度な情報化、ペーパーレス化が進む中で会計処理の際に電子データで保存したいとの需要が高まったことに対応するため、電子データで重要書類を保管していくため法整備が進んでいます。

  • 税務署長への事前届け出の省略
  • 優良な電子帳簿に対する過少申告加算税の軽減
  • 電子帳簿保存の要件緩和
  • タイムスタンプ要件・検索要件等の緩和
  • 電子取引の取引情報について紙での保存を禁止
  • 違反時の罰則の強化

電子帳簿保存法の対象書類

次に、電子帳簿保存法の対象となる書類について解説します。
できる限り具体例を挙げて紹介しますが、ここに紹介したものが全てというわけではありません。

基本的には、①税金の計算に必要な書類、②取引に関する書類、は全て電子帳簿保存法の対象となると考えておきましょう。

①電子帳簿等保存の対象書類

「電子帳簿」とは、会計ソフトなどで電子的に作成された帳簿類であって、データとして保存されたものをいいます。

具体的な対象書類として、次のような書類が挙げられます。

 

帳簿類

仕訳帳

総勘定元帳

現金出納帳

買掛金元帳

固定資産台帳 など

決算関係書類

貸借対照表

損益計算書

棚卸表 など

取引関係書類

契約書

見積書

請求書

領収書 など

取引情報

電子取引(インターネット取引、Eメール取引、クラウド取引など)を行った場合の取引情報

②スキャナ保存の対象書類

スキャナ保存の対象となる書類は、取引先から紙で受領した取引関係書類です。例えば、紙で送付されてきた契約書や見積書、請求書や領収書などです。

なお、紙の書類をスキャナ保存するかどうかは事業者が任意に決めることができ、紙のまま保存していてもかまいません(原則7年保存)

スキャナ保存対象の書類は、その書類の重要度によって取り扱い方法が異なります。例えば、契約書や領収書は国税の計算において不可欠な書類であるため、「重要書類」に位置づけられます。一方、見積書や注文書はあくまで副次的な書類であるため、「一般書類」とされています。

この記事では「重要書類」である契約書の取り扱い方法について紹介しますが、他の書類の区分や取り扱いについては国税庁の資料(本文3頁目)を参照してください。

紙の契約書をスキャナ保存する具体的な方法は、このページ内で後述します。

③電子取引の対象書類

電子取引の対象書類は、取引先からEメールで送付されたり、クラウド上にアップロードされるなど、電子的に送付された書類です。また、自社が電子的に送付した書類も含まれます。

2021年の改正により、電子取引の書類は紙に印刷して保存することはできず、データで保存することが義務付けられました。

電子契約書を適法に保存する方法は、このページ内で後述します。

電子帳簿保存法で紙の契約書はどうなる?

ここからは、電子帳簿保存法における紙の契約書等の取り扱い方法について解説します。

紙の契約書はスキャン保存できる

従来は要件の厳しかったスキャン保存ですが、2021年改正により以下の通り要件が軽減され、より気軽にスキャン保存ができるようになりました。

 

 

改正前

2021年改正以降

申請承認

運用3か月以上前に税務署へ申請

申請承認制度は廃止

入力期間及びタイムスタンプ

・受領者が入力する場合、自署して3営業日以内

・経理部門が入力する場合、2か月と7営業日以内

・受領者の自署は不要

・2か月と7営業日

・保存時刻がわかり、記録した事項(日付、金額など)を確認できる(あるいは訂正又は削除ができない)システムを利用して保存したデータはタイムスタンプが不要

適正事務処理要件

・相互牽制(受領者以外によるチェック)

・定期的な検査

・再発防止体制

適正事務処理要件は廃止

罰則

改ざんなど、不正により納税額を偽った場合は重加算税

改ざんに対しては通常課される重加算税に10%加算

スキャナ保存の具体的な方法

紙の契約書をスキャナ保存するための具体的な方法を解説します。

①期間制限を守る

紙の書類をスキャナ保存するためには、期間制限を守る必要があります。

 

2021年改正により、受領または作成後の期間制限が緩和され、2か月と7営業日以内に保存すればいいことになりました。

②タイムスタンプを付与する

スキャナ保存では、データの改ざんを防ぐために、受領から2か月と7営業日以内(おおよそ70日)以内に保存対象のファイルにタイムスタンプを付与しなければなりません。

 

タイムスタンプとは、信頼性のある第三者機関がデジタルデータに日時情報を付与する技術です。電子契約書に適用することで、文書の作成・変更時点を証明し、改ざんがないことを保証します。

 

ただし、保存時刻がわかり、記録した事項(日付、金額など)について訂正又は削除を行った事実及び内容を確認できる(あるいは訂正又は削除ができない)システムを利用して保存したデータにはタイムスタンプは不要となっています。

③スキャンする

契約書などの重要書類をスキャンする場合には、解像度200dpi以上、赤色・青色・緑色のカラーがそれぞれ256階調以上であることが要件となっています。

 

なお、スキャンはスキャナーや複合機の仕様が主に想定されていますが、一定水準以上の解像度で読み取れる場合には、スマートフォンやデジタルカメラでの読み取りも可能です。

 

また、スキャンしたデータを表示するために、14インチ以上のカラーディスプレイ、

4ポイント文字の認識等)の備え付けも必要です。

 

ただし、2023年度税制改正大綱では2024年以降は解像度、階調及び大きさに関する情報の保存要件を廃止するとされています。

 

【参照:令和5年度税制改正の大綱 – 財務省】

④検索機能を確保する

スキャンした書類は、以下の検索機能を確保することが求められます。

 

【検索機能要件】

  1. 取引年月日、取引金額、取引先を検索条件として設定できること。
  2. 日付や金額に関する記録項目では、範囲を指定して条件を設定できること。
  3. 2つ以上の任意の記録項目を組み合わせて条件を設定できること。

ただし、スキャナ保存において、税務職員による質問検査権に基づくデータのダウンロードの求めに応じることができるようにしている場合には、上記2.及び3.の機能の確保は不要となります。

 

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電子契約書はどうなる?

ここからは、電子契約書の取り扱い方法を解説します。

 

従来は電子契約書を受け取った後、紙に印刷して保存する方法も認められていましたが、2021年改正により、2024年1月1日以降は原則としてデータのまま保存することが義務付けられました。

 

 

改正前

2021年改正以降

保存方法

印刷して紙での保存も可能

紙での保存は不可

 

真実性要件を満たす必要がある

デジタルデータの改ざんを防止し、真実性を確保するために、以下の4つのうちひとつ以上を満たす必要があります。

 

  • タイムスタンプが付与された後に契約書の授受を行う
  • 契約書を授受した後、速やかにタイムスタンプを付し、保存を行う者または監督者に関する情報を確認できるようにしておく
  • 契約書の授受及び保存を、訂正や削除が確認できるシステム、または訂正や削除ができないシステム(SaaS型クラウドサービスなど)で行う
  • 訂正や削除の防止に関する事務処理規程を定め、その規程に沿った運用を行う

可視性要件を満たす必要がある

デジタルデータを適切に保存し、税務調査の際に速やかにデータを呈示するために、以下の3つの要件を全て満たす必要があります。

関係書類の備え付け

デジタルデータをすぐに閲覧できるように、データを保存する場所にシステムの概要書(操作マニュアル)を備え付ける必要があります。

見読性の確保

デジタルデータを保存をする場所に、そのデータを処理できるパソコン等、プログラム、ディスプレイおよびプリンタ並びにこれらの操作説明書を備え付ける必要があります。

 

また、そのデータをディスプレイの画面および書面に、整然とした形式及び明瞭な状態で、速やかに出力できるようにしておくことも必要です。

検索機能の確保

データを単に保存しておくのではなく、次の要件を満たす検索機能を確保しなければなりません。

 

  1. 取引年月日、その他の日付、取引金額その他の主要な項目を検索できること
  2. 日付または金額の範囲を指定して検索できること
  3. 2つ以上の任意の記録項目を組み合わせて検索できること

 

ただし、税務調査の際にデータのダウンロードに応じられる場合であれば、②および③の要件は不要です。

 

また基準期間の売上高5,000万円以下(※2023年度税制改正大綱では5000万円以下に変更予定)の場合には、税務署員の求めに応じてダウンロードできる状態であれば、検索要件は全て不要です。

電子帳簿保存法への対応方法

電子帳簿保存法に対応するため2024年1月1日までにすべき準備は、まず電子取引のデータ保存ができるようにすることです。

2024年の1月から電子データで取引するものを法令に則した方法で保存ができる状態を作るには2023年中の準備が必要です。

電子契約システムを導入する

まず、電子契約システムを導入することを検討しましょう。

電子帳簿保存法に対応できるシステムであることを確認し、導入を進めると自然と法令に則した方法で準備ができるはずです。法令に対応するだけではなく、電子契約システムを導入することにより、紙契約書で起きるタイムロスや無駄がなくなり、取引をスムーズかつ効率的に行うことができます。

現行の契約業務の運用実態を把握する

契約に関わる法務、営業部などで現状どのように契約業務を行っているのか運用実態を把握しましょう。導入するシステムが現行フローと相性が良いか確認することは導入後にシステムを使えず再検討とならないために重要な手順です。

確認のポイントは3つです。

 

  • 業務フローの確認
  • 使用している周辺システムの確認
  • 紙契約書、電子契約書の割合

システムが自社にあっているのか吟味するためにも、まえもった準備が重要です。

スキャナーなどの機材を揃える

次に、スキャナーやモニターなどの機材を用意し、既存の紙の書類を電子化できることが重要です。これにより、電子帳簿保存法に適合した書類管理が可能になります。

また、電子化された書類は容易に検索・共有ができるため、業務効率の向上が期待できます。

運用ルール、紙契約書の保存方法を決める

機材の準備が完了したら、システム、機材を使用し各部署ごとにどのように運用するのか規則を取り決めておきましょう。

規則/マニュアルの作成方法は主に3つあります。

 

  • 動画で作成する方法
  • 書面で作成する方法
  • システム上に操作ガイドを表示する方法

 

特にシステム上に操作ガイドを表示する方法は、対応できるシステムとできないシステムがございますので導入の際に質問をお勧めします。

従業員や取引先への周知徹底を行う

最後に、従業員や取引先への周知徹底を行いましょう。従業員向けには、マニュアルの共有や研修を実施して、電子帳簿保存法に関する知識と対応策を理解してもらうことが大切です。

取引先に対しては、互いに電子化を推進し合うことで、効率的な取引が実現できます。電子契約の普及率は年々伸びておりこれからは紙依存の傾向は小さくなっていくことが予想されています。

 

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まとめ

今回は、電子帳簿保存法の概要や、契約書の取り扱いについて解説しました。

2021年改正により、ほぼ全ての事業者が、電子帳簿保存法に対応する方法で契約書を作成・保存できるようにしなくてはなりません。紙の契約書の場合、従来通り紙のまま保存しておくことも可能ですが、条件を満たせばデータとして保存することができます。電子契約書の場合、オンライン契約書サービスなどを利用することで、簡単に電子帳簿保存法に対応することが可能です。

法令に適合し、また、自社およびクライアントの業務を効率化するために、オンライン契約書サービスの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

 

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