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ノウハウ リスク管理が簡単に理解できる!意味・やり方など徹底解説

投稿日:2024年02月21日

リスク管理が簡単に理解できる!意味・やり方など徹底解説

リスク管理が簡単に理解できる!意味・やり方など徹底解説

「リスク管理(リスクマネジメント)」は、どんな企業にも重要性が高い取り組みの1つです。

しかし、リスク管理とは具体的に何をするのか?危機管理と何が違うのか?など不明な部分が少なからずあることでしょう。

 

今回は、リスク管理の意味や危機管理との違いといった基礎知識に加え、リスク管理のやり方や社内のリスク管理意識を高めるためのポイントも詳しく解説します。

 

 

リスク管理とは?

リスク管理とは、想定されるリスクを未然に防ぐための対策を検討・実施する取り組みのことです。

企業の取り組みとして行われるリスク管理において、リスクとは企業経営や事業の継続を妨げる事象を指します。

 

どんなリスクが想定されるかは企業ごとに異なりますが、リスク管理の具体的な内容としてはセキュリティリスクやコンプライアンスリスクの回避などが代表的です。

 

いずれにしても、リスク管理はすべての企業に必要と言っても過言ではありません。

リスク管理の前に知っておきたい関連用語

リスク管理を正しく行うための事前知識として、リスク管理と関連する用語も知っておきましょう。

 

主な関連用語としては、危機管理・リスクヘッジ・セキュリティリスクが挙げられます。

それぞれの意味を、以下より解説します。

リスク管理と危機管理の違い

危機管理はリスク管理と混同されがちな取り組みですが、目的が異なります。

 

リスク管理は「事前に想定したリスクの回避」が目的であるのに対し、危機管理は「危機が起きた際にベストな形で解決すること」が目的です。

 

危機は未然に防止するのが理想的ですが、自然災害のように自社の努力だけでは防止できない危機も存在します。

そのような危機に直面したとき、被害を最小限に抑えながら迅速に解決できるように備えておくことが危機管理です。

リスクヘッジとは

リスクヘッジはリスクを予測し、そのリスクに対応できるように備えておくことを指します。

元は金融用語として使われていましたが、ビジネスにおいても利益や顧客の損失などを防ぐための回避策を立てるといった取り組みに対し、リスクヘッジという用語が使われるようになりました。

 

リスク管理と似ていますが、リスクヘッジは「特定のリスクで生じる損失を抑えるための戦略」です。

つまり、リスクヘッジはリスク管理という大枠に含まれる取り組みの1つと言えます。

セキュリティリスクとは

企業に起こり得るリスクは様々な種類があり、セキュリティリスクもその1つです。

セキュリティリスクとは、システムの脆弱性の悪用・データの改ざんや登用・不正アクセス・ウイルス感染などで損害が生じるリスクを指します。

 

外部の攻撃から情報を守るためにファイアウォールを導入したり、データが消失しても事業を継続させるためにバックアップサービスを活用したりといった取り組みも、セキュリティリスクを見据えたリスク管理になります。

リスク管理が重要とされる理由

近年、企業におけるリスク管理の重要性に注目が集まっています。

 

その理由としては、IT技術の発達や災害により社会が急激に変動しやすく、今後の予測が難しくなっていることが挙げられます。

変動しやすく不確実な環境下で持続的な企業競争力を確保するには、リスクに柔軟かつ迅速に対応し得る戦略が必要です。

 

また、事業の拡大に伴い業務の一部をアウトソーシングで遂行する企業も増えています。

そのため、品質問題や委託先の業務停止といったトラブルも増加傾向にあります。

このような傾向もまた、リスク管理が重要と言われる要因の1つです。

リスク管理で意識すべき「発生確率」と「影響度」

リスク管理を実施する前に、まずは想定されるリスクを洗い出したうえで優先順位を付ける必要があります。

これは「リスクの算定・評価」という、リスク管理で重要な段階です。

 

リスクの算定と評価は、「リスクの発生確率」と「リスクの影響度」という2つの軸に沿って行います。

影響度に関しては、金銭的な損失だけでなく人名や企業イメージに関わる損失も考慮しましょう。

2つの軸を掛け合わせ、発生しやすく顕在化した際の影響度が大きいリスクから優先的に対策していく必要があります。

 

また、優先度の高いリスク管理に取り組みながら、優先度の低いリスクも常時観察していくことが大切です。

リスク管理の基本的なやり方

リスク管理の基本的なやり方としては、大きく特定・評価・対処・改善という4つのプロセスに分けられます。

 

各プロセスの詳細について、以下より解説します。

リスクの特定(Identification)

最初に、自社の内外の環境を把握したうえでリスクを特定する必要があります。

大・小問わず、自社に影響を及ぼしかねないリスクは多く挙げていくことが大切です。

 

リスクを特定する手段としては、「ヒューリスティック手法」「ブレーンストーミング」「文献調査」が挙げられます。

ヒューリスティック手法

ヒューリスティックとは、経験や先入観に基づき正解を導き出す思考法です。

例えば「空が曇っていて辺りが暗いから雨が降るだろう」と考えて外出時に傘を持って行くのも、ヒューリスティックの結果導き出されたリスク管理の1つと言えます。

 

つまり論理的に1つ1つの筋道を立ててリスクを特定するのではなく、自身の経験や先入観で直感的にリスクといえる要素を判断するということです。

 

とはいえ、ヒューリスティック手法によるリスク特定は個人の認知バイアスに影響される場合もあるため、他の手法と併せて活用すると良いでしょう。

ブレーンストーミング

複数人でアイデアを出し合いながら新たな発想を生み出す会議手法を、ブレーンストーミングといいます。

細かなルールはなく、「質より量」を意識しながら参加者全員が自由に意見を出し合うことが大切なポイントです。

ただし、誰かのアイデアに対して否定したり一方的に評価したりといったことは避けましょう。

 

個人の発想からは出し得ないアイデアが生まれるブレーンストーミングは、自社に潜むリスクを見逃さずに抽出しやすい手法とも言えます。

文献調査

自社のメンバーが複数人集まっても、活かせるノウハウ・知識はどうしても限られます。

そこで役立つ手段が、学協会や行政などが公開している文献調査です。

 

特定の事故・災害に関する専門家の所見や統計なども取り入れることで、自分たちだけでは気付けなかったリスクを発見したりリスクの影響度を正確に評価しやすくなります。

リスクの評価(Assessment)

リスクを特定したら、次にリスクの優先順位をつけるための評価を行います。

会社や組織には数多くのリスクが存在していますが、一度にすべてのリスクに対応することは現実的ではないからです。

 

リスクを評価する方法は、「定性的リスク評価」と「定量的リスク評価」の2つがあります。

定性的リスク評価

まずは定性的リスク評価から実施するケースが一般的です。

「定性的」とは数値化できない要素のことで、リスク評価においては自社に及ぶ影響度や対応の緊急度といった側面から優先順位をつけていきます。

 

具体的にはリスクの発生確率を縦軸、リスクの影響度を横軸として以下のような図にします。

 

発生確率

高×小高×中高×大
中×小中×中中×大
低×小低×中低×大
 

影響度

 

先述したように、最優先で回避に努めるべきは発生確率・影響度が共に高いリスクです。

次に影響度が大きく発生確率が低いもの、影響度が小さく発生確率が高いもの、発生確率が低く影響度も小さいものといった順番で対応を決めていきましょう。

定量的リスク評価

定性的リスク評価の次に、定量的リスク評価も行います。

「定量的」とは数値化が可能な要素を指す言葉で、定性的とは真逆の意味を持ちます。

 

定量的リスク評価では、特定したリスクに対して優先度に応じたポイントを付けていきます。

過去の事例などを参考に発生確率を算定し、影響度は金銭的な損失なども考慮しながら数値化します。

これを元に、優先度のポイントを付けてみましょう。

 

リスクはできるだけ定量化すると、より評価の精度を高められます。

リスクの対処(Treatment)

リスク評価で定めた優先順位に沿って、リスクの対応策を決定していきます。

 

リスクの対応策は、大きく分けて「回避」「軽減」「受容」「移転」の4つがあります。

回避(Avoidance)

回避とは、リスクの発生を未然に防いだりリスクの影響から守るための対策を指します。

発生確率が高いリスクや、事業にもたらす利益が少ない状態で発生した場合の影響度が大きい場合に回避の対策を取るケースが一般的です。

 

リスク回避の例としては、以下のような対策が挙げられます。

 

・利益よりもリスク発生時の損失が大きいと見込まれるため、事業展開を中止する

・自社の情報の不正利用を防ぐためにサーバールームのセキュリティを強化する

 

軽減(Mitigation)

軽減は、リスクの発生確率を下げたり発生した際の影響度を抑えたりする対策です。

具体例としては、以下のような対策が挙げられます。

 

・災害発生時に備えて自社保有の建物を補強する

・社用のデバイスを紛失した際に備えて遠隔でデータを消去できるシステムを導入する

 

リスクを軽減させるために費やすコストは、リスクの発生確率とその結果に見合ったものになることが望ましいです。

受容(Acceptance)

リスクの受容(保有)は、リスクを把握しながらも特に対処せず発生を受け入れることです。

発生確率が低く影響度も小さいリスクまで徹底的に対処するのは難しいため、あえて受け入れて無駄なコストの消費を抑えた方が賢明とも言えます。

 

また、現状としてそのリスクに対して実施できる対策を決めかねたり、リスクはあっても事業継続のために受け入れざるを得なかったりするケースでも受容を選ぶ場合があります。

移転(Transfer)

リスクの移転(転嫁)は、リスクが発生した際にその影響を自社以外へ移すための対策です。

あくまで自社が受ける影響を抑えるための対策であり、リスクそのものを除去するわけではありません。

発生確率は低くても、発生時の影響は大きいと見込まれるリスクへの対策として移転が選ばれることが多いです。

 

リスク移転の具体例としては、以下のような対策が挙げられます。

 

・何らかの損害が発生した際に備えて保険に加入する

・セキュリティが強い外部サービスで自社のデータを保管する

 

モニタリングと制御(Monitoring and Control)

リスクの対策を決定したら、実際にその対策を実行します。

しかし実行をゴールとして状況を振り返らなかった結果、思わぬ事故が発生するケースも珍しくありません。

 

ただ実行するだけでなく、以下の点に注目しながらモニタリングを行いましょう。

 

・計画通りに対策が行われているか

・期待した効果は表れているか

・新たな対策を行う余地はあるか

・新たなリスクのきっかけやリスクそのものが現れていないか

 

継続的な改善(Continuous Improvement)

モニタリングを通して対策の効果を見直し、改善点を洗い出します。

リスク対策の実行後も状況が芳しくない場合は改善点を明確化し、それを考慮しながらリスク管理のやり方を修正するといった「PDCAサイクル」を継続させましょう。

社内のリスク管理意識を高めるには?

リスク管理においては自社に合った手法を組み込んだプロセスも重要ですが、同様に従業員を含めて社内全体のリスク管理意識を高める必要もあります。

リスク管理意識が高ければ、新たなリスクやそのきっかけの発現を検知しやすくなるからです。

 

しかしすべての従業員が日頃からあらゆるリスクを考慮しながら業務に従事しているわけではなく、仕事をこなす中で少しずつリスク管理意識が薄れていく可能性も考えられます。

 

社内のリスク管理意識を維持するには、定期的な社内研修が有効です。

リスク管理の策定・実行を行う従業員だけでなく、すべての従業員に対してリスク管理の必要性を理解してもらうための研修を実施しましょう。

リスクはすべての企業につきもの!高い意識の継続と適切な管理が大切

どんな企業でも、リスクがまったく存在しないとは言えません。

 

特に不確実な現代社会においては、事前にリスクを想定してその対策を講じることが重要です。

ただし起こり得るリスクのすべてに対応するのではなく、優先順位をつけてそれぞれに適した対策を検討すると良いでしょう。

リスク管理のプロセスはある程度定型化されていますが、効果を高めるためのやり方は企業によって異なるため、PDCAサイクルを継続させる必要があります。

 

社内全体の意識を高める社内研修も怠らず、現代社会で企業競争力と安定的な経営を維持させるためのリスク管理に取り組みましょう。

 

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