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ノウハウ RFIとは?記載サンプルやRFIを使ったシステム選定の流れなど解説

投稿日:2024年03月19日

RFIとは?記載サンプルやRFIを使ったシステム選定の流れなど解説

RFIとは?記載サンプルやRFIを使ったシステム選定の流れなど解説

企業がシステムを導入するにあたって、ベンダーに対し「RFI」を作成する場合があります。

しかしIT分野に詳しくない方やシステム導入が初めての企業の場合、RFIの必要性や記載内容など不明な部分が多いことでしょう。

 

今回はRFIとは何かをRFPとの違いと共に解説のうえ、基本的な内容と記載例をご紹介します。

 

 

RFIとは?

RFIは「Request For Information」の略称で、情報提供を依頼するための文書です。

ビジネスでは主に、IT製品・サービスを提供しているベンダーへ発注者側が提出する「情報提供依頼書」を指します。

RFIの目的

RFIの主な目的は、製品やサービスに関する情報提供の依頼です。

 

自社が求めるシステムを最適な予算で提供してくれるベンダーを見つけるには、基本情報に基づく候補の選定が欠かせません。

その判断材料となる製品・サービスの基本情報を、RFIを通じて提供してもらいます。

 

ある程度の情報はホームページやカタログでも確認できますが、RFIを提示すればより詳細な情報を得ることが可能です。

RFIとREPの違い

RFIと混同されがちな文書として、「RFP」があります。

 

RFPとは、契約するベンダーを選定する際に用いる提案依頼書のことです。

製品・サービスに関する自社の希望を詳細に記載のうえ提示することで、その希望に基づく提案を受けられます。

 

RFIは製品・サービスの一般的な情報提供を依頼するのに対し、RFPは自社の希望に合わせて具体的な提案・見積もりを依頼するというのが大きな違いです。

 

まずはRFIを提示して情報を提供してもらい、その後RFPを作成・提示して提案してもらい依頼するかどうかを判断するという流れが一般的です。

システム選定におけるRFIのメリット

自社に導入するシステムを選定する場合において、RFIは以下のようなメリットがあります。

 

・各社から等しく情報を得られるため公平に選定できる

・RFIの回答を元に自社の要望の実現性や費用対効果を見直せる

・自社のニーズにマッチするベンダーを見つけやすくできる

 

ベンダーに提案依頼をしようにも要件が固まらない、そもそもどこに提案依頼をすべきか分からないといった場合、RFI作成で得られるメリットはより大きくなります。

逆に、提案依頼要件を固めるために必要な基本情報が十分に揃っている状態であれば、無理にRFIを作成する必要はありません。

RFIの記載内容・記載例

RFIのフォーマットに決まりはありませんが、ベンダーから的確な回答を得るためには以下の項目が必要です。

 

・趣旨・目的

・自社情報・利用範囲

・自社の課題と目指す姿

・ベンダーの基本情報

・ベンダーの製品情報

・ベンダーの機能情報

・情報提供に関すること

 

各項目の詳細について、記載例と共に解説します。

趣旨・目的

まずはRFIを実施する目的や背景について記載します。

具体的には、どのような経緯でシステムの導入を検討するに至り、RFIでどんな回答を求めているのかといった内容です。

 

これを明記することで、ベンダーは自社の背景を適切に理解して必要な情報を提供してくれる可能性が高くなります。

記載例

【目的】

現在、当社で稼働している〇〇システム(以下××××)のOSが2024年でサポート終了となります。

加えて機能面においても改善の余地があると考えられるため、刷新を計画しています。


本書(情報依頼書・以下RFI)では〇〇システムの刷新にあたって、貴社が提供可能なソリューションおよびパッケージソフトウェアに関する情報をご提供いただくため、弊社の基本情報およびプロジェクト要件を示しています。

 

【背景】

現状の××××は20〇〇年の導入以来無停止で運用を続けていますが、2024年〇月〇日のサポート終了に伴いOSのアップデートが必要となりました。

また、××××は導入から長期間経過していることから機能面でも自社の成長や市場の変化に適応できておらず、運用・保守が非効率となっています。


上記のような背景から、〇〇システムの刷新プロジェクトが発足しました。

自社情報・利用範囲

ほとんどの場合、ベンダーとのファーストコンタクトとなる機会はRFIをするタイミングです。

自社を正しく理解してもらうためにも、自社の情報を記載する必要があります。

併せて、どの事業領域で利用するシステムを導入したいのかも明示しましょう。

記載例

①会社名

株式会社〇〇〇〇〇〇


②代表者

代表取締役社長 〇〇〇〇


③所在地

〒000-000

東京都〇〇区〇〇町 〇-〇-〇 〇〇ビル3階


④設立

20〇〇年〇月〇日


⑤事業内容

〇〇の製造・販売


⑥資本金

〇〇〇〇万円


⑦売上高

〇〇〇〇万円


⑧現行システムの利用者

〇〇部 〇〇名

 

より詳細に理解してもらうなら、ホームページリンクの記載や自社のパンフレットを添付しても良いでしょう。

自社の課題と目指す姿

システムの導入が必要となった理由をより細かく伝えるため、自社が現在抱えている課題とゴールについても明記しましょう。

記載例

【課題】

・業務面の課題

現行の××××に搭載されている機能は現状の業務と乖離しており、システム外部で補完しながら運用を続けているため、業務が非効率となっています。


・セキュリティ面の課題

OSサポートの終了に伴い将来的にセキュリティ更新プログラムが停止されるため、顧客データ漏えいなどのリスク増加が見込まれています。

 

【ゴール】

上記の背景・課題を踏まえて、以下をゴールとして〇〇システムの刷新を計画しています。


・現状の業務に適合したシステムで業務効率を向上させる

・システムのセキュリティを強化してデータ漏えい・改善のリスクを回避する

 

ベンダーの基本情報

「趣旨・目的」「自社情報・利用範囲」「自社の課題と目指す姿」は、自社の現状や情報を共有するための要素です。

これらを記載したら、次はベンダー側に提供してほしい情報について記載することになります。

 

まずはベンダー側の会社情報の提示を求めましょう。

会社名・所在地・連絡先といった情報の他、グループ企業や親会社などの項目も設けると良いでしょう。

 

記載例

 

①会社名


②ホームページのURL


③代表者


④所在地


⑤設立


⑥事業内容


⑦資本金


⑧売上高


⑨グループ企業の会社名

ベンダーの製品情報

次に、ベンダーの取扱製品・サービスに関する基本情報の提供を求めます。

製品情報は契約するベンダーの選定において、特に重要なポイントです。

 

製品名や価格などの情報を提供してもらい、各社の製品の特徴や優位性を把握できるようにしましょう。

記載例

①製品(サービス)の名称


②リリース時期


③提供形態(クラウド型・オンプレミス型)


④ライセンス形態(パッケージ・クラウドサービス・サブスクリプション)


⑤トライアルの有無


⑥価格プラン


⑦導入実績


⑧サポート体制

 

導入実績については、どんな業界で何件の導入実績を達成したのか、どれくらいの期間導入されていたのかといった情報も盛り込んでもらうことをおすすめします。

自社の業種に近い業界で豊富な実績を持つベンダーなら、自社のニーズにマッチした製品・サービスの提供に期待できます。

ベンダーの機能情報

ベンダーの取り扱い製品・サービスに関する機能の詳細情報の提供も依頼しましょう。

主に主要機能や動作環境、開発言語などの情報を細かく回答してもらうことで、後で各社の長所を比較しやすくなります。

記載例

 

①主要機能


②製品(サービス)で解決できること


③開発言語


④開発インフラ


⑤動作環境


⑥カスタマイズの可否


⑦セキュリティ

 

情報提供に関すること

最後に、RFIに対する回答の提出に関する情報や提出期限などについて記しておきましょう。

システムを選定するにあたっての具体的なスケジュールも明記しておくと、真剣にシステム導入を検討しているという意思がベンダーに伝わるため質の高い情報提供に期待できます。

記載例

 

【スケジュール】

20〇〇年〇月〇日:RFI発出


20〇〇年〇月〇日~20〇〇年〇月〇日:情報提供に関するQ&A


20〇〇年〇月〇日〇時:RFIに対するご回答締切

 

【特記事項】

本書の目的は情報提供であり、本書のご回答を参考とした選考を目的とはしておりません。

したがって、ご提供情報に関して結果の通知等はいたしません。

 

【提出方法・提出先】

①提出方法:デジタルデータでのご提出


②提出先およびお問い合わせ

・担当部門:〇〇部

・担当者:〇〇〇〇

・メールアドレス:info@example.com

 

【留意事項】

①守秘義務

貴社は本情報提供依頼の過程において知り得た相手方固有の業務上、技術上の情報を第三者に開示、またはソフトウェア開発業務の遂行以外での利用を禁じます。


②費用

株式会社〇〇〇〇〇〇では、本情報提供依頼の過程において発生する費用に関しては、一切負担いたしかねますのでご了承ください。

 

RFIの作成時期とシステム選定の基本的な流れ

システム選定において、RFIはどのタイミングに作成すべきなのでしょうか。

導入の決定から評価まで、全体の基本的な流れも理解しておきましょう。

 

1 自社でITシステムの導入を決定する

2 現状の課題を洗い出しシステムに関する要求を整理する

3 候補のベンダーをピックアップする

4 RFIの作成・検討

5 候補のベンダー各社にRFIを送付する

6 各社から提出された情報を元にシステムの要件をまとめる

7 RFPの作成・検討

8 候補のベンダー各社にRFPを送付する

9 各社から提示された提案書・見積書の内容を評価する

10 契約するベンダーを決定する

 

上記の通り、RFIはシステムの導入を決定し、要求をある程度整理してから作成するケースが一般的です。

 

また、見積もりに関してはRFPの送付後にまとめて提示されることもあれば、別途RFQ(見積依頼書)を送付して提示してもらうこともあります。

RFI作成時のポイント

RFIはただ一般例に沿った項目を記載していくだけではうまく機能せず、自社が求める情報を得られない可能性があります。

 

必要な情報を的確に得られるRFIを作成するため、以下3つのポイントを意識しましょう。

依頼内容を明確にする

RFIの記載内容において特に重要な要素が、 「自社は今何に困って・何を求めていて・どんな目標を達成したいのか」といった目的・背景です。

目的・背景が曖昧なまま提出すると、ベンダーは回答の方針が分からず精度の高い情報提供が難しくなります。

 

ただ「システムを導入したい」と簡潔に記すのではなく、自社は今どんな課題を抱えており、システムの導入でどんな環境となることを望んでいるのかといった情報を詳細に記しておきましょう。

これにより、ベンダー側も課題を解決するために自社製品・サービスをどのように活用できるのか提示しやすくなります。

 

回答項目を細かくしすぎない

RFIはあくまで契約するベンダーを選定するために必要な情報収集手段であり、選考のプロセスに含まれるものではありません。

 

ホームページやカタログには公開されていない情報を引き出せるとはいえ、回答項目を過度に細かく設けることは避けましょう。

回答項目が細かすぎると期限までの回答が難しくなるうえに、自社が精査する際に比較しにくくなります。

 

1つの項目に対して複数の要件を付与する形にならないこと、ベンダーが期限までに回答しやすくなることを意識しましょう。

相手が回答しやすい質問を心がける

RFIを通じて回答してほしいポイントを記す時は、「具体的かつ明確に」を意識しましょう。

どんなことを質問しているのかがベンダーに伝わらないと、得られる回答の内容も曖昧となります。

その回答に関して再度確認する手間と時間が発生し、結果としてプロジェクトの進行に遅れが生じる可能性もあります。

 

例えば自社の業種に近しい業界での導入実績が知りたいなら「〇〇業界での導入実績数をお教えください」、費用の概算が知りたいなら「〇〇人が使用する場合の、初期費用と月額費用の内訳をお教えください」など、答え方を明確に示しつつ質問しましょう。

システム選定に必要な情報を効率的に収集するならRFIの活用はマスト

RFIとは、主にIT分野において企業が製品・サービスを導入する際にベンダーへ提出する文書のことです。

具体的な提案や見積もりを依頼するRFPとは違い、RFIでは自社の課題や目的と共にベンダーの企業情報や製品・サービス情報などを提供してもらいます。

 

なお、作成の際は1人が自己判断で記載内容を決めるのではなく、各関係部署から選定した複数のプロジェ クトメンバーで内容を精査のうえ作成すると、重要な事項の記載漏れを防ぎやすくなります。

RFIをうまく作成のうえ活用し、自社に導入するシステムの選定を効率的に進めましょう。

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