ノウハウ 大企業におけるAI-OCRの本当の使い方
投稿日:2026年01月5日
大企業におけるAI-OCRの本当の使い方
契約書管理や契約業務の効率化を考える中で、
AI-OCRに関心を持つ企業は年々増えています。
契約書をアップロードすれば、必要な契約情報が自動で整理され、
人手をかけずに管理できる――
そうしたイメージを持つこと自体は、決して不自然ではありません。
実際、AI-OCRは文字情報の読み取りや項目抽出において、
これまでよりも高い精度を実現しています。
■ ただし、すべての契約業務に同じ効果が出るわけではない
AI-OCRの効果は、
「どんな契約を、どんな形で扱っているか」
によって大きく変わります。
ここで一度、自社の契約業務を振り返ってみてください。
■ 自社の契約は「シンプル」か「複雑」か
シンプルな契約構造の場合
・契約書の形式がほぼ決まっている
・条文や重要項目のばらつきが少ない
・契約同士の関係性がほとんどない
このようなケースでは、
AI-OCRによる自動抽出は高い効果を発揮しやすく、
業務効率化にもつながります。
複雑な契約構造の場合
一方で、次のような要素がある場合は注意が必要です。
・親契約・子契約・個別契約などが連動している
・契約書ごとに重視すべき項目が異なる
・条文の意味や影響範囲を個別に判断している
このような場合、
AI-OCRで文字情報を読み取れても、
「その情報をどう使うか」までは自動化できません。
■AI-OCRが担える役割と、そうでない部分
AI-OCRは、
・契約書のテキスト化
・定義された項目の抽出
・検索性の向上
といった点で、契約業務を確実に支えてくれます。
一方で、
・契約ごとに重要なポイントを見極める
・契約同士の関係性を踏まえて判断する
・例外的な条項の影響を考慮する
といった部分は、
AI-OCR単体では完結しません。
これはAI-OCRの性能の問題ではなく、
契約業務そのものが「文脈」と「判断」を伴う業務だからです。
■まずは「期待値」を現実に合わせることから
AI-OCRを検討する際に重要なのは、
「導入すれば何でもできるか」ではなく、
・自社の契約はどれくらい複雑か
・どこまでを自動化したいのか
・どこから人の判断が必要か
を整理することです。
この整理ができるだけでも、
AI-OCRを過不足なく活用するための第一歩になります。
■見直すべきはAI-OCRではなく、自社の前提
AI-OCRは非常に有効な技術ですが、
すべての契約業務を一律に解決するものではありません。
まずは
自社の契約形態がシンプルなのか、複雑なのか
を見直してみてください。
その視点を持つことで、
AI-OCRに対する期待も、より現実的なものになり、
次に取るべき施策が見えやすくなります。






