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ノウハウ バックデートの意味とは? 契約締結日になる5分類も解説

更新日:2024年05月13日

投稿日:2021年09月3日

バックデートの意味とは? 契約締結日になる5分類も解説

バックデートの意味とは? 契約締結日になる5分類も解説

バックデートの意味や契約締結日はどの時点にあたるのか、契約の締結において注意すべきポイントをまとめました。

 

また契約締結日となる5つの分類についてもそれぞれ詳しく解説しています。

 

 

 

契約の成立と契約の締結は違う

(1)契約の成立

契約とは複数当事者の意思表示が合致することにより成立する法律行為を指します。売買、贈与、賃貸借、請負、委任、和解などがその例として挙げられます。

 

一方の意思表示を申込み、他方の意思表示を承諾といい、両者の合致により、契約が「成立」することになります。

 

ここで注意すべき点は、原則として、書面の作成や書面への押印は契約に必要な要件とはされていないという点です。

 

例外として、法令に特別の定めがある場合には、書面の作成その他の方式を備えなければなりません。例えば、建設業法上の工事請負契約では、契約の締結に際して、書面の記載や署名・記名押印が必要となります。



民法

(契約の締結及び内容の自由)

第五百二十一条 何人も、法令に特別の定めがある場合を除き、契約をするかどうかを自由に決定することができる。

2 契約の当事者は、法令の制限内において、契約の内容を自由に決定することができる。


(契約の成立と方式)

第五百二十二条 契約は、契約の内容を示してその締結を申し入れる意思表示(以下「申込み」という。)に対して相手方が承諾をしたときに成立する。

2 契約の成立には、法令に特別の定めがある場合を除き、書面の作成その他の方式を具備することを要しない



建設業法

(建設工事の請負契約の内容)

第十九条 建設工事の請負契約の当事者は、前条の趣旨に従つて、契約の締結に際して次に掲げる事項を書面に記載し、署名又は記名押印をして相互に交付しなければならない。

2 請負契約の当事者は、請負契約の内容で前項に掲げる事項に該当するものを変更するときは、その変更の内容を書面に記載し、署名又は記名押印をして相互に交付しなければならない。

3 建設工事の請負契約の当事者は、前二項の規定による措置に代えて、政令で定めるところにより、当該契約の相手方の承諾を得て、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて、当該各項の規定による措置に準ずるものとして国土交通省令で定めるものを講ずることができる。この場合において、当該国土交通省令で定める措置を講じた者は、当該各項の規定による措置を講じたものとみなす。

参照:押印についてのQ&A



(2)契約の締結

 

そして、契約について両者が合意することを契約の「締結」といいます。

話がまとまってからその内容に対して当事者全員が合意する必要があります。

契約の締結に至るプロセス

契約の発生から締結、管理までの詳細な流れを知りたい方はこちらをご覧ください。

契約締結日と効力発生日は必ずしも同じとは限らない

契約締結日とは、当事者で実際に契約を締結した日です。

契約書で契約内容の効力が発生する日付、つまり契約開始日が定められていない場合は、契約締結日が契約が開始する日(効力発生日)となります。

 

なお、署名欄などに「記入日」や「署名日」といった記載がある場合があります。これは、署名や押印を行った日付を書くもので、契約締結日や契約開始日とは関係ありません。

 

具体的に効力発生日を書いていない場合、契約は原則として締結の時点から発効します。しかし、効力発生日と契約締結日とは必ずしも一致させる必要はありません。

 

契約書で契約期間を定める場合は、例えば、「本契約は○年○月○日から○年○月○日まで有効に存続します」と「始期」「終期」を日付で明記する方法や、「本契約は締結日から発効し、以後○年間有効に存続します」というように、締結から確定の期間続くという決め方もあります。

 

契約書の日付欄の記載をしなければ、いつ契約が締結されたのかわからなくなってしまい、トラブルに繋がります。そのため、契約締結日の記載は重要です。しかし、その割に契約締結日の決め方については明確に定められておらず、曖昧になっているのが現状です。

 

契約締結日をどの時点にするかについて、以下のように分類できます。

(1)契約期間の初日

契約締結日を契約書に記載された契約期間の初日に合わせる方法があります。

 

この場合、例えば、契約期間の初日が8/1の場合でも、契約書を作成したのが7/15の場合、まだ到来していない8/1が記載された契約書が7/15の時点で存在することになります。

 

しかし、万が一、7/15〜8/1の間に何らかの契約違反が発生した場合、そもそもこの契約書の効力は発生していたのか問題となり、紛争となることもありえます。

(2)最初に契約書に署名した日

契約当事者のうち、最初の押印者がその押印日を記入する方法です。

 

しかし、その後に押印する当事者は、自分が契約書をまだ確認していないにもかかわらず勝手に契約締結日が決められてしまうことになります。

(3)最後に署名した日

契約当事者のうち、最後に押印する人が記入する方法です。一般的な企業で最も多く見られる方法と言えるでしょう。

 

国税庁ウェブサイトの「外国で作成される契約書」の印紙税課税判定の回答では、

 

”ご質問の契約書は、双方署名押印等する方式の文書ですから、貴社が課税事項を記載し、これに署名押印した段階では、契約当事者の意思の合致を証明することにはならず、その契約当事者の残りのA社が署名等するときに課税文書が作成されたことになり、その作成場所は法施行地外ですから、結局、この契約書には印紙税法の適用はないことになります。”

参照:外国で作成される契約書|国税庁

 

と最後に署名等したタイミングで課税文書が作成されたこととなる旨の見解が示されています。

 

しかし、最後の押印者が日付を自由に記入できてしまう点でリスクもあります。また、契約締結日を入力し忘れてしまうこともあるようです。

(4)当事者間で契約の内容に合意した日

契約の過程でビジネス条の基本条件について実質的に合意した日を契約締結日とする方法です。

 

会議の場での口頭同意やメールでの合意が多いと思います。その合意した日付を契約書に記入するというやり方です。

(5)契約実務書では

契約実務書においては、「当事者全員が会して合意した場合はその日」と述べつつ、国税庁の印紙税見解同様の「最後に押印した日」を締結日欄に記入する方法を、原則として採用しています。

 

”「調印日はいつでもよいのですが、いつにしたらよいでしょうか」という相談があった場合には、①契約当事者が会して同時に調印する場合には、会した日、②それぞれの会社に置いて別個に調印する場合には、後から調印した当事者が実際に調印した日、とするのが普通であると考えられます。”

愛知県弁護士会研修センター運営委員会法律研究部契約審査チーム「新民法対応 契約審査手続マニュアル」(2018)



記入漏れをした場合、すでに署名押印がされているため、空欄に契約相手や第三者が任意の日付を書くこともでき、大きな不利益を被る可能性があります。

契約締結日をどの時点にするにせよ、日付の記入漏れに注意しましょう。

契約書締結の注意点

バックデートは避けましょう!!

バックデートとは、実際に契約を締結した日付よりも過去の日付を契約締結日とし、契約書に記載することです。

 

例えば、実際の締結日は8月10日なのに、月初から有効であったとするために契約書の日付を8月1日とすることなどです。

 

しかし、契約日のバックデートは避けるべきです。

バックデートは遡及契約とは違い、「○月○日に遡って適用」といった記載がないため、いつ契約を締結したのか不明確となります。

また、上記例の場合、8月1日に契約は存在しなかったわけですから、契約書に書かれていることが虚偽であることになります。これは、企業のコンプライアンスという観点からも大きな問題です。

 

電子契約の場合には、タイムスタンプを改ざんすることはできないので、バックデートがされていないことが担保されます。つまり、基本的には、相手方に文書を送信した時の日付が契約締結日となります。

しかし、紙の契約書と同様に、口頭やメールで合意した日付を条項に記入することで契約締結日を柔軟に定めることができます。

電子契約締結に関してのよくある質問

ひな形を使う際には内容に注意しましょう!!

インターネット上では、さまざまな契約書のひな形を無料でダウンロードすることができますが、そのまま流用するのは注意が必要です。

一方にとって不利な内容かもしれない

どのような種類の契約書であっても、一方当事者に有利な条項が設けられていることがあります。それがもしも自社に不利な内容だった場合、見過ごしてしまうと大きな損害を被る危険があります。

法改正に対応していない場合がある

毎年行われる法律の改正や、新たな判例の法理によって、契約書の内容は変えなくてはならないことがあります。そのため、作成前になるべく法令や判例を確認することが必要です。

契約書の雛形がいつ作成されたものなのかという点にも注意しましょう。

まとめ

契約締結日と契約開始日を混同してしまうと、自社に不利益な契約を交わしてしまうことにも繋がるため、注意が必要です。

 

また、バックデートには十分気をつけましょう。契約締結日よりも前に契約開始日を設定したい場合には、過去の日付を契約締結日にするのではなく、契約書内に適用期間などを明記する遡及適用を行うことが重要です。

 

契約書の電子化には相手の承諾・希望が必要となる契約もありますが、法改正によりデジタルファーストの推進が見込まれています。

電子契約には、タイムスタンプの日時を改ざんすることはできないので、バックデートを防ぐことができるという点で大きなメリットがあります。

 

これを機会に、Contracts CLMの利用を検討してみてはいかがでしょうか?

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