ノウハウ ワークフローシステムとは?導入メリットや方法を解説
更新日:2023年12月27日
投稿日:2021年05月28日
ワークフローシステムとは?導入メリットや方法を解説
「リモートワークになってから上長の承認が取りづらくなり、業務が滞っている…」こんなお悩みはありませんか?
新型コロナウイルスの影響で多くの企業がリモートワークや時差出勤を採用していますが、これまでのようには誰もがオフィスに承認者がいることを前提に、紙での承認申請を行うことが難しくなっています。こういった状況を打破するため、オンラインで申請ができるワークフローシステムを導入検討する企業も多いのではないでしょうか。
この記事では、ワークフローシステム導入のメリットや方法を解説していきます。おすすめのワークフローシステムもご紹介しますのであわせてご覧ください。
ワークフローとは
ワークフローとは一般的には「整理された業務の流れや仕事の順序のこと」を指します。具体的には、業務プロセスや仕事を整理することで、関わるメンバーが正しく順序を理解するために仕事のを流れを図示化したものを、ワークフローと呼ぶことが多くなっています。
ワークフローシステムの導入企業が増加
近年導入が簡単なSaaS型システムの登場や新型コロナウイルスの拡大など社会的な情勢からワークフローを円滑に進めることができるシステムの導入や検討が進んでいます。ワークフローシステムの多くは業務の中で稟議書や契約書、申込書の「社内承認フロー」を電子化することを目的としている場合が多いため、「稟議システム」や「電子決裁システム」とも呼ばれています。
契約の発生から締結、管理の流れまでは詳しくこちらの記事で解説しているのでご覧ください。
ニューノーマルな時代にワークフローシステムを導入すべき4つの理由
ニューノーマルな時代の2021年の今こそワークフロー導入すべきタイミングと私たちは考えます。その理由は4つあります。
1.SaaSの隆盛
SaaS(Software as a Service)とは、これまでパッケージで販売されてきたソフトウェアが、インターネットを経由して利用できるクラウドサービスとして販売されている形態を指します。
2020年現在、Saas市場は年々拡大しており、サービスカテゴリも多岐にわたっています。もそのため、組織や企業のニーズに合わせて最適なSaaSを企業が選択することができ流ようになりました。
ワークフローシステムについても近年多数のSaaSサービスが台頭しているため、効率化したい業務内容を鑑みながら最適なシステムを導入することができます。
2.リモートワーク主体
緊急事態宣言の発令に伴い、2020年以降リモートワークが主体の会社が増加しています。
おりしも2019年より働き方改革として育休や時短勤務、リモートワークなどそれぞれのライフスタイルにあった働き方ができる組織であることが推奨され始めた頃でもあり、新型コロナウィルスが落ち着いた後もリモートワークを推奨する企業が多いと予想されています。
新型コロナウィルスが落ち着いた後も、以前のようにオフィスに同僚や上長がいることは当たり前ではなくなると考えられ、従来のオフラインでの紙を使ったワークフローではは業務が滞るため、ワークフローシステムを使い、オンラインでの業務管理が必要となってくる可能性があります。
3.ペーパーレス化
環境保護やCO2削減、印刷/人件費などコスト削減の理由によりペーパーレス化が推奨されています。国税関係の帳簿類や証憑類の電子データによる保存方法を定義する電子帳簿保存法はどんどん緩和され、キャッシュレス化対応のため、クレジットカード支払い等は利用明細をそのままデータ保存できることになりました。
これまではクレジットカード等の利用明細も紙に出力し、スマホで撮影しPDF化の後、タイムスタンプの付与というフローが必要でした。これからは電子帳簿保存法に対応した経費精算クラウドサービスを導入していれば、クラウドサービスにデータを保存するのみで完了します。
脱ハンコも唱えられている現在、社内の紙の申請書に押印して回すというフローは時代に逆行しているのです。
4.ガバナンスリスクへの対応
紙でインターネットの普及に伴い、SNS上で炎上が発生したり社員の不祥事が拡散されるなど、企業のレピュテーションリスクが上がっている現在では、そうした不正を事前に発見し早期対応するためにも、ガバナンス強化は急務と言えます。
ワークフローシステム導入で効率化する業務内容
ワークフローシステムで解決できる業務には承認申請業務、契約業務などがあります。
具体的に、業務がどのように解決するのか説明します。
承認申請業務
たとえば消耗品発注であれば、「社員が購買申請を書く」→「上司に提出する」→「上司が承認印を押して管理部門に渡す」→「管理部門が承認印を押して総務部員に渡す」→「総務部員が発注する」というフローになります。
契約業務
契約業務であれば、「営業担当者が契約書のドラフトを作成」→「上司に提出」→「上司が承認印を押して法務部門に渡す」→法務部門が「契約書のレビュー」または「契約書に承認印を押して」営業担当者に渡す→「営業担当者が締結する」という形になります。
契約業務の場合値段の大きさによって分岐が設けられている場合もあります。例えば100万円以上の場合は承認者に法務部長が加わるなどです。
ワークフローシステム導入後
これが電子化された場合には、申請者は一元化されたプラットフォームから申請フォームの内容を記入して送信し、承認者は自身のデバイスで承認ボタンを押せます。
契約業務であれば、金額を記入することにより自動で承認ルートが決定され、該当のルートの人物に承認依頼がきます。そして承認者が承認ボタンを押せば締結に至れるという流れになります。
契約承認申請をワークフローシステムで業務効率化
業務効率化
承認過程
まず自分のする申請がどの承認ルートを選択すべきか確認する手間が省けます。金額等の情報を入力すれば自動的に承認ルートが決定されるからです。
申請書の作成段階でも、書式を探したり、法務部員に聞いたりする必要もありません。フォームの指示に従い記入すれば抜け漏れなく申請でき、記入ミスによるやり直しが生じることはありません。
締結時点
ワークフローシステムを入れていても紙締結の場合、紙に出力して製本、押印し相手方に郵送という手順になります。
そこで電子締結システムとワークフローシステムが一体化されていれば、承認が得られた直後、システムを跨ぐことなく締結まで一気通貫にできます。
生産性向上
また、契約業務とは契約書の文面だけでは判断できません。このため文面について、営業担当者に経緯を踏まえて補足説明を求めたり、意図を確認したりするコミュニケーションが避けられません。
ワークフローシステムであれば、申請と共に補足事項を添付して送りやすく、わざわざコミュニケーションのために聞きに行ったり、メールの返信を待ったりする必要がありません。承認依頼と補足事項がセットになっていて確認しやすいため、口頭で交わした内容を思い出したり、メールから情報を探したりする手間も省けます。
誰のところで承認が止まっているのかも一目瞭然であるため、他の承認者に確認するコストもかかりません。
このように一つ一つは小さい手間だとしても、積もると大きな時間的コストとなっていた部分を省き、業務効率化、生産性向上できます。
業務効率化に関するアイディアについては、以下記事でもご紹介しています。
ワークフローシステム導入のメリット
時間短縮
ワークフローシステム導入後は上記のような紙の申請書のデメリットがなくなります。
書き損じによるやり直し、書類紛失による遅延がなくなることなどはもちろん、承認ルートが自動的に決定されるため、初動が早くなります。
離席/休暇中であっても、承認先のデバイスに承認依頼が通知されるため、オフィスにいないため業務が進まないということがなくなります。自分のスタイルに合わせて働きやすくなるため、働き方改革の方針に沿うことができます。
承認後は自動的にデータベースに格納されるため、消耗品購入についてや、契約書の情報を、再度エクセルに入力するなどの業務は不要となります。
内部統制強化
「誰が」「いつ」「どの事項について」承認したか、ワークフローシステムでは自動でログが記録されていくため、内部統制の強化につながります。
契約書に関するワークフローと電子締結システムが一体である場合、承認を得なければ締結できないという形式になります。
従来の押印は、物理的に厳重に保管されているため勝手に権限のない社員が契約を締結することはできないという前提のもとに、社内の稟議を通ったと担保をしていました。これに対して、電子締結は誰でもボタンが押せるため、無権代理のリスクがあり、契約締結したつもりが締結できていなかったという事態が生じる懸念がありました。
ところが上記の一体となったシステムでは、承認者の承認ボタンを得なければ締結不可能であるため、むしろ押印よりも無権代理のリスクがなくなると言えます。
業務プロセス改善
また、ワークフローシステム導入の際には、ワークフローが整理され、可視化されていなければなりません。この過程で、従来不透明であったボトルネックがあらわになります。その結果ボトルネックを解消しさらに効率的な業務プロセスを目指すことができます。
そしてワークフローシステム運用中にもさらなる業務改善を目指すことができます。
ワークフローシステム選びの注意点
失敗原因
上記のようにコストをかけた結果ワークフローシステム導入が失敗とならないためには、自社の業務にあったシステムを選ぶことが大事です。
自社業務とのミスマッチ
カスタマイズが自由にできなかったり、外部との連携ができなかったりすると、今までのオペレーションとは違ってしまいストレスがたまります。
直感的な操作ができないと、使うたびに負荷がかかり、積もり積もって大きな不満となります。そして結局「前の方が便利だった」と言われてしまい、時間と金銭のコストをかけたのに思うような効果が得られないという失敗の結果に終わってしまいかねません。
事前準備不足
また入れたはいいものの、当初の目標設定や現状把握が不十分であったため、ワークフローの挙動が業務に適合していなかったという例もあります。ワークフローシステムは複雑な設計であるため、不十分な設計で稼働しだすと申請業務が滞りストレスとなります。
成功の鍵
そこで成功のためには、何より自社の業務や既存のワークフローとあったシステムを入れることが必要です。そのためには事前の入念な準備が鍵となります。
ワークフローを使うであろう部署のニーズの汲み取りや、それを踏まえての具体的な目標設定が大事です。
オンプレミスかクラウドか
オンプレミス型とは、システムの構築・運用を自社でするタイプです。自社に合わせてシステムを構築できるためカスタマイズ性は高く、業務に合ったものを作れます。ただし、初期費用が高く、開発・メンテナンス・運用を自社で行わなければならないというデメリットもあります。
一方、クラウド型は、事業者がインターネット経由でシステムを提供するものです。ネット環境さえあればどこからでもログインができ、初期費用が安いのが魅力です。アップデートや障害が起きたときの対応を自社で行う必要もありません。しかし、カスタマイズ性はオンプレミス型よりも劣るというデメリットもあります。
カスタマイズしやすいか
カスタマイズは人事異動などの度に必要となります。カスタマイズにプログラミング知識がいるとなると、一部の人に負担が偏ることになります。そこで誰でもカスタマイズしやすいUIの物を選びましょう。
その他、上記の失敗原因を踏まえて、既存のシステムとの連携はできるか、誰でも直感的に操作できるかをチェックしましょう。
おすすめシステム4選
ジョブカンワークフロー
ジョブカンワークフローは、株式会社Donutsが提供するワークフローシステムで、低価格ながら直感的に入力できるインターフェースの操作性が人気です。クラウド型のため、移動中でもスマートフォンから手軽に申請や承認作業が可能です。少人数から大人数まで幅広く対応できるため、大手有名企業を始め豊富な導入実績があります。
ジョブカンワークフローの特徴
申請画面がシンプルなため、画面の小さなモバイル機器からでも簡単に操作できる
運用開始の初期設定が簡単で、あらゆる申請書のフォーマットが自由にカスタマイズ可能
初期費用やサポート費用無料でトライアルから始められる
ジョブカンワークフロー
AgileWorks
AgileWorks は、株式会社エイトレッドが提供する大手企業や中堅企業の利用を想定した機能が搭載されたワークフローシステムです。大企業ならではの組織改編や、細かな組織編制、煩雑で複雑な業務に対応し得る柔軟性と拡張性の高さが特長です。英語や中国語にも対応しているため、多国籍の人材を有する企業のニーズに合致します。
AgileWorksの特徴
大企業の導入実績が豊富で業務効率化の運用イメージがつかみやすい
退職や転勤の人事異動や組織改編にも簡単操作で即時対応可能
既存の多彩な周辺システムとの統合や、連携の自動化でデータを活用できる
AgileWorks
URL: https://www.atled.jp/agileworks/
rakumo ワークフロー
rakumo ワークフロー は、Googleが提供するG Suiteや、Salesforceとの連携を前提としたワークフローシステムで、rakumo株式会社が提供しています。稟議書に限らずさまざまな業務の管理が可能です。プロセスに滞留があれば、メールとSlackで通知されるため見落としを予防できスムーズな業務進行ができます。
rakumo ワークフローの特徴
担当者ごとにコメントを付与できるため、承認の経緯が確認できコミュニケーションが取りやすい
キンタイ、ケイヒなどのrakumo製品とのシームレスな連携が可能
少ないステップで幅広い業務の効率化が実現できる
rakumo ワークフロー
URL: https://rakumo.com/product/gsuite/workflow/
SmartDB
SmartDB は、株式会社ドリーム・アーツの大企業向け業務デジタル化クラウドサービスです。稟議の承認申請だけのワークフローに留まらず、提案書や問い合わせ管理、商品FAQなどの業務フローも簡単にデジタル化できます。複数部署が絡んだ複雑なワークフローにも対応可能で、多くの部門の業務を幅広くカバーし全社的なスピードアップが望めます。
SmartDBの特徴
各部門を横断して社内全体のワークフローがSmartDBだけで完結
専門知識がなくても、直感的な操作でWebデータベースを効率よく活用できる
閲覧や入力制限を個人、役職、部署などで設定が可能なためセキュリティも安心
SmartDB
URL: https://hibiki.dreamarts.co.jp/smartdb/
まとめ
ワークフローシステムは業務効率化や生産性向上のみならず、ニューノーマルな働き方の実現のために大きく役立つものです。
しかし業務と深く結びついているものであるため、システム選びの際には事前準備や注意をしなければいけません。導入するシステムを迷った場合ご紹介したシステム選びの観点や、製品を参考にしてみてください。
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