ノウハウ 【第5回】法務部門に寄せられる相談を一元管理できる契約マネジメントの有効性
更新日:2024年03月8日
投稿日:2020年06月1日
【第5回】法務部門に寄せられる相談を一元管理できる契約マネジメントの有効性
※本記事は朝日インタラクティブの運営するWebメディア/サービスTechRepublic Japan (テックリパブリック、テクリパ)に、2020年4月27日に掲載された、弊社寄稿原稿をもとに再編集したものです(運営元の朝日インタラクティブより承諾を得て掲載しています)。
社内の契約業務としてもう一つ重要な要素、「相談」業務を効率化する手段はないでしょうか。
今回は、契約マネジメントの視点から、相談業務をどのようにアップデートすることができるのかについて解説していきます。
【第1回】関係者が多く、付随業務もたくさんーなぜ「契約マネジメント」が必要なのか?
【第2回】ライフサイクルで考える「契約マネジメント」ーリーガルテック先進国の現在
【第3回】契約を軸に事業の速度を上げるー「契約マネジメント」に成功した3社の場合
【第4回】契約マネジメントの始め方ープロジェクトとして契約を一元管理するメリット
【第6回】最適な契約マネジメントとはー電子化だけで終わらない、プロセスの見直しを
法務相談の実際
法務部門に寄せられる相談事は意外に多く、例えば下記のような質問が日々寄せられています。
- 「今度の取引は今までと違う取引内容になりそうだけれど、契約上のリスクはないでしょうか」
- 「新しいビジネススキームを敷くことになったが、どんな契約にするべきでしょうか」
- 「弊社の◯◯契約について、基本的にどういうスタンスをとっているのでしょうか」
- 「契約を交わした取引先と、しばらくしてからトラブルになったが、契約上どのように対応すればよいでしょうか」
相談する側からすれば、こういった質問はすべてが“初めて”の経験でしょう。一方、回答をする法務部門からすると、「こういった回答は以前、他の部署の人にもしたことがあるな」「この質問はよく聞かれることがあるな」と思うことが多いはずです。
また、相談する人によって内容が異なり、要点を把握できず、必要な情報を収集するのに余計な時間や手間がかかるといったケースもあります。企業内で発生する相談業務にも、生産性向上の余地があります。
このような相談業務を契約ライフサイクルマネジメントシステム「ContractS CLM」で効率化する方法をご紹介します。
相談の「窓口」を作り、双方に優しい仕組みを
まずは相談のやり取りから見ていきましょう。ContractS CLMには、相談の類型に応じて法務部門が欲しい情報を過不足なく取得できるよう設計できる「依頼・相談」機能があります。
法務相談の種類別に依頼フォームを作成し、それぞれのカテゴリについて最低限必要となる相談事項を指定することができます。
これにより、相談者は何を伝えればいいかが分かり、回答者は必要な情報を手に入れることができるようになる。両者の業務負荷を下げる人に優しい仕組みです。
フォームから相談を投稿すると、その内容がそのまま反映された形で相談のやり取りをすることができます。
契約とは直接関係のない相談窓口としても活用
さらに、対外的な契約に限らず、社内的な法務、コンプライアンスの相談窓口としても活用できます。
法務部門が日々対応する相談は幅広いですが、適切なカテゴリを設定することにより窓口を一本化することが可能です。
何かしら法務部門に相談したい人は“とりあえず”ContractS CLMに行けば、対外的な契約とは直接関係なかったり、契約関係の事後的な確認であれば相談で完結し、相談の後に契約書が出てきたりするのであれば、そのまま契約書作成、管理機能を活用して契約書審査に進めばよいでしょう。
それぞれの企業に合った形の「契約マネジメント」を
契約、法務業務の視点で考えた時に外すことのできない相談業務をカバーできるContractS CLMは、契約プロセスで使われる様々な書類やツールを一元化できます。
単に“使うツールが減って楽になる”だけではなく、契約に関するやり取りや経緯を全て一つにまとめることができます。これにより、後から振り返るのが容易になり、社員相互の情報交換がしやすくなるだけでなく、業務の属人化を防ぐことも可能になります。
これまで、他の業務領域はどんどんシステム化が進んでいますが、契約領域はそうではありませんでした。契約業務をシステム化して、企業が持っているポテンシャルをさらに引き出すことができるのがContractS CLMです。
とはいえ、ツールを導入しただけでは、社内の仕組みを変えることは難しいです。なぜなら、ツールを使うのは結局のところ「人」であり、「誰が」「何を」「いつ」「どのように」使うのかという運用面を見直さなければ、真に生産性を最大化させることは不可能です。運用面を見直さずにツールを導入するだけでは、ツールに振り回されるだけで本末転倒な結果になりかねません。
ましてや、電子契約が普及し始めているとはいえ、紙が一切消え去るわけではありません。契約業務のオペレーションは、紙と電子が混在せざるを得ず、そのフローは複雑になりがちです。それぞれの企業によって、最適な契約マネジメントというのは異なります。なぜなら、企業の契約業務というのは、扱う契約類型や企業体制、企業文化などの様々な要因が影響し合っているからです。
したがって、自社で契約マネジメントを実践しようとする場合には、まず現状の業務フローを洗い出し、どんな契約プロセスを構築し、契約管理を進めればいいのかを分析することが必要不可欠です。これは、電子契約のシステムを導入しようとするときも変わりません。
第6回では、これまでに蓄積したノウハウを活用してContractSが行っている、それぞれの企業に合った契約マネジメント支援と、前回の記事で予告をしたライフサイクル管理の手法と合わせて、これまでに解説してきた内容の総まとめを予定しています。
【第1回】関係者が多く、付随業務もたくさんーなぜ「契約マネジメント」が必要なのか?
【第2回】ライフサイクルで考える「契約マネジメント」ーリーガルテック先進国の現在
【第3回】契約を軸に事業の速度を上げるー「契約マネジメント」に成功した3社の場合
【第4回】契約マネジメントの始め方ープロジェクトとして契約を一元管理するメリット
【第6回】最適な契約マネジメントとはー電子化だけで終わらない、プロセスの見直しを