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ノウハウ 電子帳簿保存法でタイムスタンプは必要?不要となる要件を解説

更新日:2024年05月9日

投稿日:2023年10月17日

電子帳簿保存法でタイムスタンプは必要?不要となる要件を解説

電子帳簿保存法でタイムスタンプは必要?不要となる要件を解説

「電子帳簿保存法の改正でタイムスタンプ要件はどうなったの?」

「タイムスタンプがいらない条件って?」

2022年の電子帳簿保存法改正により、タイムスタンプ要件が大幅に軽減され、より積極的に電子契約等が活用されることが想定されています。

今回は、電子帳簿保存法の改正でタイムスタンプ要件がどう変わったのか詳しく解説します。また、タイムスタンプが不要となる要件や、具体的な発行手順・費用についても紹介します。

 

そもそもタイムスタンプとは?

タイムスタンプは、デジタル情報に特定の日時を記録する技術やその日時のことを指し、情報の信頼性を確保するために重要な役割を果たします。

以下からは、タイムスタンプの目的や仕組み、電子署名との違いについて詳しく解説します。

タイムスタンプの目的

タイムスタンプとは、①タイムスタンプが付与された時点でデータが存在していたこと、および②タイムスタンプ付与後にデータが改ざんされていないことを証明するシステムです。

特に、機密情報や取引記録、重要な契約書などのデータにおいて、そのデータが作成・更新された正確な時刻を証明することは、取引の信頼性を担保するために極めて重要です。

電子帳簿保存法などで電子データの利用が認められるようになったのは、このタイムスタンプという仕組みが開発され、データの真実性確保ができるようになったからといっても過言ではありません。

タイムスタンプの仕組み

タイムスタンプの仕組みを理解する上で、TSA(時刻認証局:Time Stamping Authority)という用語を知ることが必要です。

TSAは、正確な時刻情報を提供する第三者の機関で、データとそのデータの生成時刻を結びつける役割をもちます。

具体的には、ユーザーがデータのハッシュ値(データから生成される値)をTSAに送信すると、TSAはそのハッシュ値と正確な時刻情報を組み合わせて、タイムスタンプを生成します。

そして、このタイムスタンプはユーザーに返され、データと一緒に保存されることになります。

この仕組みにより、データの作成時刻を確認することができ、後からの改ざんも検出することが可能となるのです。

タイムスタンプと電子署名の違い

タイムスタンプと電子署名は、デジタルデータの信頼性を担保するための手段として共通して使用されますが、その役割は異なります。

電子署名は、データの本人性と非改ざん性を証明する手段である一方、タイムスタンプは、これらの証明に加えて、データが「いつ」存在していたか、つまりそのデータの作成・更新時刻を証明する役割も果たします。

このように、タイムスタンプは時刻情報の正確性を保証することに特化しており、データの信頼性をより一層向上させることが可能です。

電子署名の概要や種類、具体的な導入方法・メリットについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。

【こちらもおすすめ:電子署名とは?仕組みや法律など基礎から解説。

電子帳簿保存法の概要と改正内容

電子帳簿保存法は、正式名称を「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律」といい、電帳法とも呼ばれます。

時代の変化に合わせて、これまで6回にわたって改正されており、特に2022年の改正は要件緩和など大きな改正となりました。

以下からは、電子帳簿保存法の概要や、2022年の改正内容について詳しく解説します。

電子帳簿保存法で認められている保存方法

電子帳簿保存法では、①電子帳簿保存、②スキャナ保存、③電子取引という3つの方法で電子化することが認められており、それぞれの概要を簡単にまとめると次のようになります。

電子帳簿保存

電子的に作成されたデータを、電子データのまま保存すること

スキャナ保存

紙で作成・受領した書類をスキャンし画像データとして保存すること

電子取引

電子的に授受(メールやPDFなど)した取引情報を電子データとして保存すること

電子帳簿保存法では、これらの区分に応じて異なる要件が課されているため、まずはこれらの違いを理解したうえで、自社の運用に合った要件を確認する必要があります。

【2022年施行】電子帳簿保存法の改正内容

2022年の電子帳簿保存法では、電子帳簿保存の活用を積極的に推進するため、大幅な要件緩和が行われました。

主な改正内容をまとめると、次の通りです。

  • 税務署長による事前承認制の廃止
  • 優良な電子帳簿に対する過少申告加算税の軽減
  • 電子帳簿保存の要件緩和

タイムスタンプとの関係では、特に以下の点が重要な改正ポイントです。

  • 条件を満たせばタイムスタンプの付与が不要となった
  • タイムスタンプの付与期限が最長約2カ月と7日に延長された

より具体的な改正内容や、注意すべきポイントについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

【こちらもおすすめ:2023年最新・総まとめ 電子帳簿保存法とは?対象と要件をわかりやすく解説!

タイムスタンプが不要となる要件

先ほど紹介したように、2022年の電子帳簿保存法改正により、以下の2つの要件を満たす場合にはタイムスタンプが不要となりました。

  • 通常の事務処理期間(最長2カ月と7日)以内に保存した場合
  • 訂正や修正した場合に履歴が残るシステム、もしくは修正や訂正が行えないシステムを利用してスキャンした場合

改正前は3営業日以内にタイムスタンプを付与しなければなりませんでしたが、改正後は最長2カ月と7日営業日以内に付与すればいいことになりました。

特に注目すべき点が、「訂正や修正した場合に履歴が残るシステム」を利用した場合にタイムスタンプが不要となった点です。

これにより、電子帳簿保存法に対応した電子会計・契約クラウドサービスを活用することで、タイムスタンプを付与する必要はなくなりました。

また、文書作成者が既にタイムスタンプを付与しているデータを受領した場合、そのデータに追加でタイムスタンプを付与する必要がなくなった点も大きなポイントです。



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電子帳簿保存法で求められるタイムスタンプ

電子帳簿保存法でタイムスタンプの付与が要求されるのは、スキャナ保存と電子取引保存の場合であり、電子帳簿保存にはタイムスタンプは不要です。

先ほど紹介したように、電子帳簿保存法に対応した会計・契約クラウドサービスを活用すればタイムスタンプを付与する必要はありません。

しかし、履歴を残せない方法でスキャンした場合等、タイムスタンプの付与が義務付けられる場合があります。

電子帳簿保存

タイムスタンプは不要

スキャナ保存

タイムスタンプが必要

電子取引保存

タイムスタンプが必要

このように改正電子帳簿保存法では、帳簿等の保存区分に応じて タイムスタンプの取り扱いが異なることになっています。

複数の運用が混在していると混乱が生じ、法令に違反する可能性が高くなってしまいます。

そのため、電子帳簿保存法に対応した会計・契約クラウドサービスを導入するなどして、早急にタイムスタンプのいらない方法に統一することをおすすめします。

タイムスタンプを発行する方法

タイムスタンプはデジタルデータの時刻を証明するために非常に便利なツールですが、実際にタイムスタンプを発行するための手順やコスト、利用上の注意点については広く知られていません。

ここでは、タイムスタンプの発行に関する具体的な方法や注意点を紹介します。

タイムスタンプの発行手順

タイムスタンプの発行手順を簡単にまとめると、次のようになります。

  1. タイムスタンプをの対象となる書類をスキャンしデータ化する
  2. 画像データを電子契約ソフトや電子会計ソフトにアップロードする
  3. タイムスタンプの付与をTSAに要求する
  4. タイムスタンプトークンを受け取る
  5. タイムスタンプを発行する

電子契約・電子会計ソフトがタイムスタンプ付与に対応している場合には、上記3〜4の工程をワンクリックで行えることもあります。

タイムスタンプの発行費用

タイムスタンプの発行に関する費用は、使用するサービスやプランによって異なります。

初期費用としては、無料のもの、数千円程度でサービスを利用できるもの、システム導入に10万円〜30万円を要するものなど、サービス提供者やプランによって大きく異なります。

ランニングコストとしては、1つのタイムスタンプの発行につき10円程度が一般的ですが、大量にタイムスタンプを発行する場合や、特定のプランを選択することで、単価が割安になることもあります。

初期費用とランニングコストのバランスをみながら、自社の運用にあったシステムを利用するようにしましょう。

無料のタイムスタンプを利用する際の注意点

無料のタイムスタンプサービスも存在しますが、利用する際にはいくつかの注意点が必要です。

まず、無料のサービスは法令の要件を必ずしも充たしていない場合があるため、特定の業務での使用に際しては、そのサービスが法的な要件を満たしているかを確認する必要があります。

また、信頼性やサポート体制など、サービスの品質にも違いがあるため、基本的には大手の有料のサービスを利用することをおすすめします。

安全性や信頼性を重視する場合、無理にコストカットをするのではなく、信頼の置けるサービスを選ぶことが重要です。

まとめ

今回は電子帳簿保存法における、タイムスタンプの取り扱いについて紹介しました。

2022年の電子帳簿保存法改正によりタイムスタンプの要件が大幅に緩和され、タイムスタンプを付与すべき期間が最大2ヶ月と7日に延長されたほか、一定の条件を満たす場合には タイムスタンプは不要となりました。

特筆すべき点は、訂正や修正の履歴が残るクラウドサービス等を利用する場合には、タイムスタンプの利用が必要なくなった点であり、今後ますます電子契約が一般化すると想定されています。

電子契約システムを導入すれば、タイムスタンプが不要となるだけではなく、業務の効率化 や情報セキュリティガバナンスの強化、コストカットなど様々なメリットを得ることが可能です。 

電子帳簿保存法はすでに施行されていますが、まだ電子契約システム等を導入していない企業は、これを機に導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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