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ノウハウ 【2021年8月施行】 薬機法の改正!規制対象と企業が注意すべき対応は

更新日:2021年10月4日

投稿日:2021年08月2日

【2021年8月施行】 薬機法の改正!規制対象と企業が注意すべき対応は

【2021年8月施行】 薬機法の改正!規制対象と企業が注意すべき対応は

2021年8月に改正薬機法が施行されます。

 

薬機法とは医薬品や医療機器の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律です。

製造や販売だけでなく、流通や広告までの流れを一貫して規制している法律になります。

 

健康食品や化粧品などを扱う企業の法務部や広報・マーケティング部の担当者、広告の運用に関わる個人事業主に関わる方々にとって薬機法の内容は非常に重要です。

 

本記事では薬機法の内容や今回の改正点について紹介します。

改正の具体的な内容や規制される対象を紹介し、法律違反による罰則や改正された薬機法のもとで関連企業が注意するポイントについても解説します。

 

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2021年8月に施行される改正薬機法とは?

 

薬機法の正式名称は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」で、以下のような目的があります。

 

・医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品の品質、有効性及び安全性を確保する

・これらを使用することによる保健衛生上の危害の発生や拡大を防止する

・医薬品、医療機器及び再生医療等製品の研究開発の促進する

(薬機法1条参照)

・医薬品等の商品は効能効果が人体に作用するため、消費者の健康や生命へ影響を及ぼす可能性があります。

厚生労働省に認められていない成分で構成されていたり、企業の誇大広告で消費者が誤って使用したりしてしまうと非常に危険です。

 

そのため、薬機法は製造や使用だけでなく、流通や広告を扱う業者にも適用されます。

ちなみに、医薬品等とは医薬品や医薬部外品、化粧品や医療機器、再生医療等製品を総合した表現です。

薬機法は美容化粧品や、商品の表記方法によっては健康食品の規制にも活用される点に注意が必要です。

厚生労働省が管轄しており、医薬品等を扱う企業にとって大切な法律です。

 

改正薬機法で新たに規制される対象とは? 

 

2021年8月に改正薬機法が施行されます。

規制される対象は、医薬品や医薬部外品、化粧品や医療機器、再生医療等製品です。

聞いた事がある人も多いと思いますが、解説していきます。

 

医療品は、病気の診断、治療、または予防のために使用されるものです。医師の診断に基づく処方箋が必要な「医療用医薬品」と、薬局やドラッグストアで薬剤師や登録販売者から購入できる「OTC医薬品」に分かれます。

 

医薬部外品とは、薬機法によって定められた、医薬品と化粧品の中間の製品です。医薬部外品のスキンケア製品を通常の化粧品と区別するために「薬用化粧品(例:薬用化粧水、薬用クリーム、薬用シャンプーなど)」と呼ぶこともあります。薬局だけでなく、スーパーやコンビニなど薬剤師がいない場所でも販売が可能です。

 

化粧品とは、医薬品や医薬部外品以外のものです。医薬部外品同様、ドラッグストアなどで購入でき、各種スキンケア製品、ヘアケア製品、メイクアップ製品が化粧品に該当します。

 

医療機器とは、人や動物の病気の診断、治療若しくは予防に使用されるものです。CTやレントゲン装置、放射線治療装置などの大型のものから、コンタクトレンズ、救急絆創膏、体温計や電子血圧計、家庭用マッサージ器など様々です。

 

再生医療等製品は、個人や少数の患者に特化して製造される製品で、自身の細胞を用いて培養した製品を指します。医療機関で患者自身の細胞を接種し、製造所で細胞培養を行い医療機関で投与される製品です。生きた組織や細胞を用いるので製造過程が難しく、医療専門職の指示のもとで使用されるので、一般的な業者で扱うことはない製品となります。

 

美容化粧品も、薬機法の規制対象となるので規定の表記方法を守る必要があります。

また、健康食品は直接薬機法で制限を受けるものではないですが、薬機法の世界に入り込むと薬機法違反になります。

 

例えば、医薬品と思われてしまう表現をすると、「医薬品の申請をしていないのに、医薬品的表現をしている。」ということで薬機法違反となります。



2021年8月の改正による「課徴金制度」とは?

 

今回の改正のポイントとして、新たに「課徴金制度」が導入されます。

第75条の5の2において、以下の規定が新設されています。

 

第六十六条第一項の規定に違反する行為(以下「課徴金対象行為」という。)をした者(以下「課徴金対象行為者」という。)があるときは、厚生労働大臣は、当該課徴金対象行為者に対し、課徴金対象期間に取引をした課徴金対象行為に関わる医薬品等の対価の額の合計額に百分の四・五を乗じて得た額に相当する額の課徴金を国庫に納付することを命じなければならない。

 

つまり、66条1項に違反していた期間における対象商品の売上額の4.5%を課徴金として納付する義務が生じます。

利益ではなく売上に対して課されるため4.5%でも大きな金額になり、事業運営に甚大な損失が出てしまう可能性があるのです。

 

そして、66条1項は、「課題広告等」に関する禁止規定です。

第六十六条 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。

 

医薬品は人体に影響があるため、一般消費者が症状や疾患に対して適応がない薬を使用しないように定められているのです。

この規定に違反すると、上記の課徴金納付命令が下されます。後述のように、医薬品等を製造する企業だけでなく、広告を掲載するメディアも対象となるので注意が必要です。



ただし、課徴金額が225万円(売上高5,000万円)未満の場合には、課徴金納付命令は出されません(75条の5の2第4項)。

この部分だけを見ると、「売上額が5,000万円以下の企業は関係ない」と思われるかもしれませんが、薬機法違反が判明した場合は、メディアで取り上げられることが多くあります。企業イメージが損なわれてしまうため、今後の売り上げに影響してしまい、大きな損失に繋がってしまうのです。

 また、商品の自主回収をするケースもあるため、慎重な対応が必要になります。




規制対象者は?

 

66条1項は「何人も……してはならない」と規定されています。つまり、法人も含めた全ての“人”が対象です。したがって、75条の5の2による課徴金も全ての人に課される可能性があるということです。具体的には、広告主・広告代理店・アフィリエイターなどの広告に関わる全ての人が対象です。

 

広告の定義は、下記のとおりです。

 

1)顧客を誘引する(顧客の購入意欲を昂進させる)意図が明確であること。

2)特定医薬品等の商品名が明らかにされていること。

3)一般人が認知できる状態であること。

 

引用元:薬事法広告研究所 薬機法における広告とは

 

SNSでの商品PRやアフィリエイトも規制の対象になったことで、今まで薬機法についての知識がなかった方も、薬機法を理解した上で発信していくことが必要です。



課徴金に加え、罰則も? 

薬機法の広告規制は、主に第66条から第68条で示されています。

違反した場合は、2年以下の懲役または200万以下の罰金(67条違反の場合は、1年以下の懲役または100万以下の罰金)が課されてしまうのです。(85,86条)

 

それに加えてまた、前述の2021年の8月の薬機法改正により66条1項違反については、課徴金制度も導入されるため、より重い負担を貸されることとなったのです。

 

改正薬機法の施行で企業が注意すべきポイントは?

 

罰金や行政指導により自社商品の広告が中止になってしまうと、事業運営に大きな損失が出てしまいます。ここでは、企業の法務部や、広報・マーケティング部、広告を運用する個人事業主が注意すべきポイントを解説していきます。

 

薬機法による広告の規制内容の定義を把握する

 

厚生労働省の規定しているガイドラインを参考にし、自社商品の広告が薬機法に違反しないかどうかの確認が必要です。

広告対象となる自社商品の効能や効果が、薬機法の定める「虚偽または誇大広告の禁止」になっていないかを把握することが重要になります。

しかし、法令やガイドラインの中身を全て正確に把握することは困難ですので、細かい部分は外部の専門家に相談することをおすすめします。

 

企業内で独自のガイドラインを作成する

 

各商品に対して自社専用のガイドラインを作成するのも良いでしょう。

厚生労働省が「薬機法における医薬品等広告基準の解説及び留意事項等について」に関して示しています。専門家と相談しながら薬機法を遵守するガイドラインを作成し、自社内で共有できれば薬機法の違反を防ぐことにつながります。

 

留意事項の記載を引用すると

「広告が消費者に与える効果は、その表現、内容だけでなく、利用される媒体の性質、広告表現全体の構成や説明の文脈、更には世相によっても異なる。従って、ある広告が違反広告に当たるか否かの評価については、当解説及び留意事項等に記載されている事例や文面のみから形式的に判断されるべきではなく、各種の要素を総合的に考慮して判断する必要があることに留意しなければならない。」

 

と、あるため商品ごとに個別に専門家を交えてガイドライン作成をすることも効果的と言えるでしょう。

自社内で薬機法の違反事項を洗い出し、広告ガイドラインを作成し共有することで、法令遵守につながると考えられます。

 

参照:厚生労働省 医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について

 

 

薬機法に関連する資格を取得する

 

「薬事法管理者」という薬機法に関連した資格があるので自社内で資格取得を検討してみるのも良いでしょう。

薬機法は、医薬品や医薬部外品、医療機器や化粧品など広い範囲の商品をカバーしているため、その法律知識も高度に専門化されています。

「薬事法管理者」を取得することで、ヘルスケアビジネスにおいて薬事の専門家として認知されます。

 

また、化粧品や美容機器のようなコスメの分野に特化した「コスメ薬事法管理者」という資格があります。資格取得によりコスメ分野において薬機法の知識保有者として企業内で活躍することが可能です。

 

「薬事法管理者」や「コスメ薬事法管理者」の資格は、企業の広報やマーケティング部を担当される方々にとって有益な資格です。

どちらも薬機法の専門知識を測ることができる専門の民間資格で、LLP薬事法有識者会議が認定試験を行っています。

 

自社内で薬機法に関わる商品を扱っている場合は、企業内で資格の取得を推奨して、担当者の専門知識を深める取り組みも行う事も選択肢です。



参照:薬事法有識者会議



まとめ

 

以上、薬機法の改正について注意すべきポイントをまとめました。

 

薬機法は医薬品だけでなく、美容化粧品や健康食品まで幅広い商品が規制対象です。

これらの商品を扱う広告担当者は、薬機法の規範に抵触しないように自社商品を消費者へアピールする必要があります。

 

また、薬機法の規定やガイドラインは、今回のように適時見直しされることが想定されます。

企業の法務部や広報・マーケティン部の担当者は、自社商品が薬機法の規制にかかるかどうか、日々チェックしておくことが大切です。

 

そして、今回の改正のポイントとして「課徴金制度」が導入されました。

薬機法に違反した場合に売上額の4.5%の罰金が課されてしまいます。

広報担当者は、事業運営に被害が出ないように予め準備しておくことが重要です。

 

薬機法改正により企業が注意するポイントとしては、薬機法の深い理解に加えて自社内のガイドラインを作成するのも効果的です。

企業内で「薬事法管理者」や「コスメ薬事法管理者」のような資格の取得を推奨する事で、専門知識を深める事も大切です。

 

広告業界が消費者との信頼関係を築くうえで、法令の遵守をきちんと行うことはとても重要です。

この記事を参考に薬機法の改正の内容を把握し、健全な広告を作れるよう意識していきましょう。

 

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