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ノウハウ 生成AIで「秘密保持契約(NDA)」をレビューする手順とプロンプト集|ChatGPT・Claude・Gemini・Copilot対応

投稿日:2026年05月18日

生成AIで「秘密保持契約(NDA)」をレビューする手順とプロンプト集|ChatGPT・Claude・Gemini・Copilot対応

生成AIで「秘密保持契約(NDA)」をレビューする手順とプロンプト集|ChatGPT・Claude・Gemini・Copilot対応

はじめに:なぜ売買契約のレビューは「定型に見えて、定型ではない」のか

売買契約は、商法・民法に基本ルールがあり、ひな形も世にあふれているため、「定型契約」と捉えられがちです。しかし実務上は、以下の理由でレビュー難易度が意外に高い契約類型です。

  • 対象物の性質で論点が大きく変わる:動産(汎用品/特注品)・不動産・有価証券・知的財産権・事業(事業譲渡)でリスクが反転する
  • 改正民法の用語と旧来の業界慣行が混在:「瑕疵担保責任」→「契約不適合責任」、「検収」「受領」「引渡し」の使い分けが現場でバラバラ
  • 取引基本契約と個別契約の関係:単発の売買契約か、取引基本契約に紐づく個別契約かで、優先順位の整理が必要
  • 危険負担・所有権移転時期・代金支払時期の組み合わせ:これらは独立して設定でき、組み合わせ次第で当事者リスクが大きく変動
  • 国際取引(CISG・インコタームズ):英文売買契約ではウィーン売買条約(CISG)の適用排除条項、貿易条件(FOB・CIF・DDPなど)の選択が必要

だからこそ、生成AIで初動を効率化する価値が大きい契約類型でもあります。

そして今、選択肢はChatGPTだけではなく、Claude・Gemini・Copilotなど多くの汎用AIが実用レベルに達しています。本記事は、どのAIを使ってもレビュー品質を担保できるよう、汎用プロンプトと使い分けの考え方をまとめます。

生成AI製品別の向き不向き(売買契約レビューの観点)

AI製品向いている用途(売買契約レビュー観点)注意点
ChatGPT (GPT-4 / GPT-5系)標準的な売買契約の論点抽出、契約不適合条項の改正民法対応チェック大量バッチでは法人プラン推奨
Claude (Sonnet / Opus系)取引基本契約と個別契約のペア比較、英文売買契約の和訳・分析、長文の整合性チェックAPI・チャット環境の整備が必要
Gemini (Pro / Ultra系)Google Workspace連携、最新法令・インコタームズの検索照会法務的な深い解説では他社モデルに見劣りするケースもある
Copilot (Microsoft 365 Copilot)Word上での売買契約の直接添削、Excelの取引データから契約条件を抽出Microsoft 365契約が前提

実務では「論点抽出はChatGPT/取引基本契約との突合はClaude/Word上の直接修正はCopilot」のようにタスクごとに使い分けるのが効率的です。いずれの製品でも、本記事のプロンプトはそのまま使えます。

生成AIで売買契約をレビューするメリットと限界

できること(生成AI単体の強み)

用途具体例
論点の網羅的洗い出し「この売買契約に不足している標準論点を一覧で出して」と指示し、抜け漏れを検出する
民法デフォルトとの差分指摘「民法のデフォルトルールと比較して、買主/売主に不利な箇所はどこか」を出させる
対象物・取引形態の判定動産(汎用品/特注品)・不動産・知的財産・事業譲渡など、対象物の分類と該当論点の整理
条項の意味の言語化「契約不適合責任の通知期間と除斥期間の違い」を平易に解説
修正案ドラフト売主/買主それぞれの立場で、強気・中庸・妥協の3案を出させる
要約・整理取引基本契約と個別契約のマッピング

できないこと/苦手なこと(限界)

限界リスク
自社の取引基本契約との整合性「うちは原則として取引基本契約+個別注文書方式」といった社内ルールは毎回プロンプトで渡す必要がある
過去取引・取引先との整合性「この取引先には前回契約不適合の通知期間を1年で合意した」という履歴を踏まえた判断ができない
業界商慣行への完全な追随業種固有の商慣行(卸売・建設・素材・食品など)への踏み込みは限定的
ハルシネーション存在しない判例・条文を引用することがある。特に改正民法前後の用語混在に注意
機密性の確保プレーンな生成AIに価格・数量・取引相手を貼ると、情報管理上のリスクが残る
レビュー結果のナレッジ化1回限りで会話が終わり、組織知として蓄積されない

生成AIで売買契約をレビューする5ステップ

ステップ1:取引対象・取引形態を見極める

最初にやるべきは「何を売買するか」「単発か継続か」「自社は売主か買主か」の判定です。

  • 動産・汎用品:数量・品質・納期・検収・契約不適合責任
  • 動産・特注品(オーダーメイド):仕様確定プロセス・設計責任・知的財産権の帰属
  • 不動産:所有権移転登記・引渡し・公租公課の精算・隠れた瑕疵・近隣関係
  • 知的財産権の売買:権利の特定・第三者の権利不存在の表明保証・登録移転手続
  • 事業譲渡:承継対象資産・負債・契約・従業員、許認可の取扱い、競業避止
  • 取引形態:単発売買/取引基本契約+個別契約/継続的売買

【プロンプト1】取引対象・形態の判定

あなたは日本企業の法務担当です。以下の売買契約ドラフトを読み、次の観点で分析してください。

  1. 取引対象は「動産(汎用品)」「動産(特注品)」「不動産」「知的財産権」「事業譲渡」のいずれに該当するか、根拠条項を引用して判定する。
  2. 取引形態は「単発」「取引基本契約+個別契約」「継続的売買」のいずれか、契約構造から推測する。
  3. 自社は売主/買主のいずれの立場か、文言から判定する。
  4. 上記分類に基づき、特に注意すべき論点を上位5つ挙げ、各論点について現状の条文の充足度を「○/△/×」で評価する。

出力は表形式でお願いします。

—– 契約書本文 —–

AI製品の使い分けTips: 取引基本契約と突合させたい場合はClaude、Google Workspace上で作業中ならGemini、Word上で直接編集するならCopilot。

ステップ2:論点を網羅的に洗い出す

【プロンプト2】論点チェックリスト型レビュー

あなたは経験10年以上の企業法務担当です。以下の売買契約ドラフトを、添付のチェックリストに沿ってレビューしてください。

チェックリスト

  1. 売買対象物の特定(品名・型番・仕様・数量)
  2. 売買代金、税抜/税込の別、価格改定条項の有無
  3. 代金支払の時期・方法・手段(前払・検収後・分割・与信限度額)
  4. 引渡しの時期・場所・方法(持参債務/取立債務)
  5. 所有権移転の時期(引渡時/代金完済時/登記時)
  6. 危険負担の移転時期と帰属
  7. 検収の方法・期間、検収不合格時の取扱い
  8. 契約不適合責任(種類・品質・数量)の通知期間・除斥期間・救済手段(追完・代金減額・解除・損害賠償)
  9. 知的財産権の取扱い(特注品の場合)、第三者の権利侵害の表明保証
  10. 担保責任、製造物責任、リコール対応
  11. 契約解除事由・解除時の精算
  12. 損害賠償の範囲・上限・除外事由
  13. 反社条項、不可抗力条項
  14. 秘密保持、競業避止
  15. 紛争解決(準拠法・合意管轄・仲裁)、(国際取引の場合)CISGの適用排除・インコタームズの選択

出力フォーマット

| No | 論点 | 該当条項 | 評価 | 指摘内容 | 推奨修正案 |

|—-|——|———-|——|———-|————|

—– 契約書本文 —–

ステップ3:個別論点を深掘りする

次節のプロンプト集で論点ごとに深掘りします。

ステップ4:修正案を生成する

【プロンプト3】修正案ドラフト

以下の条項について、当社(売主/買主 ←どちらかを指定)の立場で、リスクを低減する修正案を作成してください。

条件:

  • 譲歩の度合いを変えた3つのバージョン(強気案/中間案/妥協案)を作成すること
  • 各案の「相手方が拒否する可能性」を5段階で評価すること
  • 修正の理由(リスク低減のロジック)を併記すること
  • 強気案については、民法のデフォルトルールと比較してどちらに不利になるかを明記すること

—– 対象条項 —–

ステップ5:依頼元(事業部)への説明文を作る

【プロンプト4】事業部向け要約

以下の売買契約レビュー結果を、法律の専門用語を使わず、事業部担当者(非法務、営業/購買)向けに要約してください。

  • 結論(締結可/要修正/差し戻し)
  • 修正してほしいポイント(理由つきで3点以内)
  • そのまま締結した場合に起こりうるビジネス上のリスク(具体例)
  • 事業部側で確認すべきこと(取引相手の与信状況・想定取引金額・継続取引の見込み)

文字数は400字以内、丁寧語で。

—– レビュー結果 —–

売買契約レビュー用プロンプト集(コピペで使える10本/AI製品共通)

プロンプト5:売買対象物の特定と仕様

あなたは売買実務に詳しい企業法務担当です。以下の売買契約における「売買対象物の特定」条項を精査してください。

確認事項:

  1. 品名・型番・仕様・数量・単位が一義的に特定されているか
  2. 仕様書・図面・サンプルなど別紙への参照がある場合、当該別紙が契約の一部として組み込まれているか
  3. 特注品の場合、仕様確定プロセス(仕様書承認・サンプル承認・設計変更手続)が明示されているか
  4. 数量について、増減許容範囲(「±◯%」など)の規定の有無と妥当性
  5. 引渡時の検査基準(外観・寸法・性能)の明示

当社が売主の場合、仕様が曖昧で後から要件を追加されるリスクを、買主の場合、仕様が緩く期待品質を満たさないリスクを、それぞれ指摘してください。

—– 対象条項 —–

プロンプト6:契約不適合責任(旧瑕疵担保責任)

以下の売買契約における「契約不適合責任」条項を、改正民法(2020年4月施行)の枠組みで精査してください。

確認事項:

  1. 「種類・品質・数量に関する契約不適合」の3類型について、契約上の取扱いが網羅されているか
  2. 買主の救済手段4種(追完請求・代金減額請求・損害賠償・契約解除)について、各々の発動要件と例外が明確か
  3. 通知期間(民法566条:知った時から1年以内)と、契約上の通知期間(短縮しているか、延長しているか)
  4. 除斥期間(民法167条等:引渡時から10年)に対し、契約で短縮しているか
  5. 商人間取引の場合、商法526条(直ちに検査・遅滞なく通知、6ヶ月の制限)との関係
  6. 「現状有姿(as-is)」条項や責任全免責条項の有効性

当社が売主の場合、責任を限定する方向の修正案を、買主の場合、責任を確保する方向の修正案を、それぞれ提示してください。改正前民法の「瑕疵担保責任」の用語が残っていれば、改正後の用語に修正することも併せて指摘してください。

—– 対象条項 —–

プロンプト7:所有権移転・危険負担・代金支払の組み合わせ

以下の売買契約における「所有権移転」「危険負担」「代金支払」の3つの条項を一体として精査してください。

観点:

  1. 所有権移転時期:引渡時/代金完済時(所有権留保)/登記時(不動産)/契約締結時
  2. 危険負担の移転時期:引渡時/受領時/検収時/その他。民法567条(特定物について引渡時に移転)との関係
  3. 代金支払時期:前払/同時履行/検収後/月末締め翌月末払 など
  4. 3つの組み合わせから生じる当事者リスクを当社(売主/買主 ←指定)の立場で評価
  5. 所有権留保の場合、対抗要件(動産譲渡登記等)の取得方法
  6. 危険負担と契約不適合責任の関係(危険移転後の不適合は契約不適合責任で処理)

当社の立場に応じて、リスクを低減する組み合わせの修正案を提示してください。

—– 対象条項 —–

プロンプト8:検収プロセスと検収不合格時の取扱い

以下の売買契約における検収条項を精査してください。

確認事項:

  1. 検収期間:引渡しから何日以内に検収するか
  2. 検収方法(数量検収のみ/性能検収まで/第三者検査機関の利用)
  3. 検収期間内に通知がなければ合格とみなす「みなし検収」条項の有無と妥当性
  4. 検収不合格時の取扱い:再納入・代品納入・代金減額・契約解除のうち、どれを選べるか
  5. 検収後の契約不適合責任との切り分け(検収合格=契約不適合責任なし、ではない)
  6. 部分検収の可否と、部分代金支払との関係

当社が売主の場合、みなし検収・短期検収を求める方向の修正案を、買主の場合、十分な検収期間と再納入請求権を確保する方向の修正案を、それぞれ提示してください。

—– 対象条項 —–

プロンプト9:継続的売買・取引基本契約との関係

以下の売買契約が、取引基本契約に紐づく個別契約である場合を想定し、両者の関係を精査してください。

確認事項:

  1. 取引基本契約と個別契約の優先順位条項(通常は個別契約が優先するが、契約により逆転)
  2. 取引基本契約で定められた契約不適合責任の通知期間・損害賠償上限などが、個別契約で上書きされていないか
  3. 個別契約の自動更新・最低発注量・予定発注量の取扱い
  4. 取引基本契約の解除と個別契約の存続関係
  5. 個別契約の発注書・注文請書の様式と、電子化対応

取引基本契約が手元にない場合、確認すべきポイントをリスト化してください。

—– 個別契約本文 —–

—– (あれば)取引基本契約本文 —–

AI製品の使い分けTips: このプロンプトは長文ペアを扱うためClaudeまたはGemini Pro系が安定。

プロンプト10:損害賠償・解除・反社条項

以下の売買契約における損害賠償・解除・反社条項を一括精査してください。

損害賠償

  1. 賠償上限額の設定方法(代金額の○倍/無制限)
  2. 上限の除外事由(故意・重過失・秘密保持違反・知的財産権侵害)の網羅性
  3. 間接損害・特別損害・逸失利益の取扱い
    解除
  4. 任意解除権の有無と通知期間
  5. 債務不履行解除の要件(催告の要否、相当期間の設定、催告不要事由)
  6. 解除時の精算規定(既履行部分の取扱い、原状回復、損害賠償との関係)
    反社条項
  7. 反社会的勢力でない旨の表明保証
  8. 反社該当時の無催告解除権と損害賠償・違約金

当社が売主の場合の修正案と、買主の場合の修正案を、それぞれ提示してください。

—– 対象条項 —–

プロンプト11:知的財産権の取扱い(特注品・第三者権利侵害)

特注品の売買を前提に、以下の売買契約における知的財産権条項を精査してください。

確認事項:

  1. 成果物の知的財産権(特許権・著作権・意匠権・商標権)の帰属先と、移転時期
  2. 著作者人格権(同一性保持権・氏名表示権・公表権)の不行使特約の有無
  3. 第三者の知的財産権を侵害しないことの表明保証
  4. 侵害があった場合の責任分担(売主が防御・補償する/買主が対応・売主に求償)
  5. 売主が業務に用いた既存著作物(汎用ライブラリ・第三者素材)の取扱い
  6. 買主が提供した仕様・情報による侵害の責任分担

当社が売主の場合、補償範囲を限定する修正案を、買主の場合、補償範囲を確保する修正案を、それぞれ提示してください。

—– 対象条項 —–

プロンプト12:自社ひな形との差分表生成

当社の売買契約ひな形と、相手方から提示された売買契約ドラフトを比較し、差分を表形式で整理してください。

出力フォーマット:

| 論点 | 当社ひな形 | 相手方提示 | 差分の方向(当社有利/不利/中立) | 交渉優先度(高/中/低) | 推奨対応 |

|——|————|————|————————————-|————————–|———-|

交渉優先度は、ビジネス影響度(取引金額・継続取引の有無)と法的リスク(契約不適合・損害賠償・解除時の損失規模)の双方を勘案して判定してください。

自社の立場が売主/買主で差分の評価方向が変わる点に注意してください。

—– 当社ひな形 —–

—– 相手方提示 —–

プロンプト13:レビューサマリの自動生成

以下の売買契約のレビュー結果を踏まえ、社内決裁用のサマリを作成してください。

構成:

  1. 契約概要(取引対象・金額・期間・相手方、3行)
  2. 主要論点と対応方針(5項目以内、各1〜2行)
  3. 残存リスクと許容根拠
  4. 決裁者への確認事項(あれば)

全体で800字以内、です・ます調。

—– レビュー結果一式 —–

プロンプト14:英文売買契約の和訳+ポイント抽出

以下の英文売買契約について、次の作業をお願いします。

  1. 全文を自然な日本語に和訳する
  2. 日本企業の法務担当として、特に注意すべき条項上位5つを抽出する(Warranties、Indemnification、Limitation of Liability、Risk of Loss、CISG適用排除、インコタームズ、Governing Lawなど、日本法と発想が異なる条項を中心に)
  3. インコタームズの選択(FOB/CIF/DDP等)が当事者リスクに与える影響を解説する
  4. ウィーン売買条約(CISG)の適用排除条項の有無を確認し、なければ追加すべきかを助言する

—– Sales Agreement / Purchase Agreement 本文 —–

AI製品の使い分けTips: 英文契約の和訳・分析ではClaudeの精度が頭ひとつ抜けている。

生成AIを業務利用するときに必ず押さえる3つの注意点

1. 機密情報の取り扱い

各AI製品の利用規約と学習利用ポリシー(2026年5月時点):

製品学習利用法人利用での非学習保証
ChatGPT (Free / Plus)利用される可能性あり(オプトアウト設定可)Enterprise / Team / API で非学習を契約上担保
Claude商用利用では原則学習に使用しないAnthropic Console / API で明示
GeminiGoogle Workspace内では契約上非学習Workspace契約により担保
Copilot (Microsoft 365)Microsoft 365テナント内で非学習Microsoftの企業データ保護に準拠

売買契約には、取引相手・取引金額・対象物の仕様(特注品の場合は技術情報を含む)など、それ自体が秘密にあたる情報が含まれます。少なくとも以下のいずれかを採るのが現実的です。

  • 各AIの法人向けプランを契約し、データ非学習を担保する
  • API経由で社内に閉じたUIを構築する
  • 社名・固有名詞・金額・型番をマスキングしてから貼り付ける
  • そもそも社外秘の契約原本は汎用AIに直接渡さず、契約管理基盤側で連携処理する

2. ハルシネーション

生成AIは、存在しない条文番号・判例・通達を、それらしく引用することがあります。特に売買契約は2020年4月施行の改正民法で用語が変わったため、改正前の「瑕疵担保責任」用語と改正後の「契約不適合責任」用語が混在する出力をすることがあります。

  • 条文番号・判例の引用が出てきたら、必ず一次資料(e-Gov法令検索、裁判所HP、法務省ガイドライン等)で裏取りする
  • 改正民法対応かどうかを必ず確認する
  • AIの出力をそのまま事業部や決裁者に提出しない

3. 学習データの古さ

改正民法・改正商法・電子帳簿保存法・インボイス制度など、直近の法改正には対応できない、または不正確な可能性があります

最新法令への対応は、e-Gov・各省庁ガイドライン・専門書で必ず一次確認してください。

生成AI単体の限界と「連携型CLM」という解決策

壁1:プロンプトを毎回貼り直す手間

チェックリスト・自社ひな形・取引基本契約を毎回貼るのは現実的でない。

壁2:過去取引・取引先との整合性

「前回この取引先には契約不適合の通知期間を6ヶ月で合意した」「この事業部は与信限度を500万円で設定」といった社内コンテキストは生成AIに蓄積されない。

壁3:レビュー結果がナレッジ化しない

組織として蓄積されない。

壁4:締結後の運用に繋がらない

個別契約の発行・検収・支払・契約不適合通知期限の管理・取引基本契約との紐付け・更新管理に繋がらない。

解決の方向性:内蔵AI型ではなく「連携型CLM」

アプローチ特徴限界
内蔵AI型CLMベンダー独自AIが組み込まれており製品の枠内で完結使えるAIがベンダー固定
連携型CLM(Open CLM)CLMは正本管理に徹し、外部の汎用AI(ChatGPT・Claude・Gemini・Copilot)を自由に呼び出して使う設計思想が組織側にも求められる

ContractS CLMが採用しているのは後者です。

  • 締結前:ChatGPT・Claude・Gemini・Copilot・社内ナレッジ(取引基本契約・過去個別契約・与信情報)を組み合わせてレビュー
  • 締結時:合意済みの正本を一元管理(基本契約と個別契約の親子リンク管理)
  • 締結後:契約不適合通知期限・更新時期・取引相手別の取引履歴を、契約データの正本に対して管理

まとめ:生成AIは「初動」を、CLMは「正本と運用」を

売買契約のレビューは、対象物・取引形態・立場により論点の重みが変わり、改正民法対応も含めて、定型に見えて毎回判断が要る業務です。生成AIを、設計されたプロンプトで使うことで、論点抽出・自社ひな形との差分整理・修正案ドラフト・事業部向け要約を大幅に効率化できます。

そして、どのAI(ChatGPT・Claude・Gemini・Copilot)を選んでも本記事のプロンプトは使えます。それぞれの強みを意識して使い分ければ、さらに効率化が進みます。

ただし、生成AI単体には限界があります(プロンプト同梱・取引履歴整合・ナレッジ蓄積・締結後管理)。これを埋めるのが連携型CLMです。「AIは選び、契約は1箇所に集める」——これがContractSが提唱する次世代の契約マネジメントのかたちです。

次の一歩

  • 本記事のプロンプト集を自社ひな形・取引基本契約と一緒にテンプレート化し、まずは1案件で試す
  • 機密情報の扱いを社内で整理し、各AIの法人向けプランを準備する
  • 売買契約データの正本管理を、契約マネジメント基盤側に寄せる検討を始める

ContractS CLMでは、汎用AIと連携しながら契約レビュー・締結・運用までを一気通貫で支える「連携型CLM」を提供しています。詳細な機能・導入事例については、サービスページをご覧ください。


本記事はContractS株式会社のコンテンツマーケティングチームが、法務実務担当者向けに執筆したものです。具体的な売買契約案件への適用にあたっては、必ず自社の法務担当者・顧問弁護士の確認を経てください。本記事はリーガルアドバイスではありません。

著者名

ContractS編集部

ContractSは、契約プロセスの構築や契約管理・案件管理を通じて、契約業務を最適化するシステム「ContractS CLM」を開発・販売しています。大企業から中小企業、スタートアップまで、幅広い企業の契約業務改善を支援してきた実績があり、そのコンサルティング経験を活かして、契約業務に関わる読者が参考にできる情報を発信しています。