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ノウハウ 株主総会とは?取締役会との違い・開催時期などをわかりやすく解説

更新日:2024年03月1日

投稿日:2024年01月24日

株主総会とは?取締役会との違い・開催時期などをわかりやすく解説

株主総会とは?取締役会との違い・開催時期などをわかりやすく解説

株主総会の目的や、取締役会の違いはご存知でしょうか。
株主総会は決議の種類などでいくつものパターンに分かれます。さらに、オンラインで開催される場合、株主の権利にも違いがあります。

 

株主総会はいつ・どこで・どのように開けば良いのか、業務効率化やコスト削減のためにどこまで電子化できるのかなどを解説しています。

 

 

株主総会とは

株式会社最高の意思決定機関です。株主で構成され、議案の検討・決議を通じて会社の意思決定を行います。

株主総会の目的

開催される株主総会によって異なりますが、会社の今後を左右する重要事項を決定することは、どの総会にも共通です。例えば、決算報告や役員選任などです。

株主の権利

大きく分けて2つの権利を持ちます。

  • 自益権
  • 共益権

 

自益権は株主の権利を行使することで、株主個人の利益にのみ影響する権利です。利益配当請求権(配当金を受け取れる権利)などが該当します。

共益権は株主の権利を行使することで、全ての株主の利益に影響する権利です。議決権などを指します。

議決権について

株主総会の決議に参加して、賛成・反対の票を投じることのできる権利です。

票の数は、保有する株数に応じます。つまり、1人1票とは限らないということです。

株主総会と取締役会の違い

 株主総会取締役会
決議参加者株主取締役
決議事項取締役会設置会社においては、会社法で定められた重要事項と定款で定めた事項(定款変更や取締役の選任や報酬など)株主総会の決議事項を除く業務執行の決定(支店の設置・廃止、重要な財産の処分など)
決議要件決議の内容による過半数出席かつ出席者の半数以上の賛成

 

取締役会は会社法第331条第5項により、取締役が3人以上いれば設置できます。なお、取締役会を設置するには監査役を1人以上置く必要があります。

会社に関する事項を決めるのは株主総会も取締役会も共通しますが、構成する人や求められることが変わります。

 

株主総会で会社の運営に関することなどを決議することはできます。しかし、株主総会は株主が大勢になると簡単に開催できるものではありません。決議の度に開催するとなると、大きな負担がかかります。

そこで、取締役会を設置した会社の場合、会社法または定款により、株主総会の意思決定の範囲を限定し、会社の執務についての決定などは取締役会での決議事項となります。

 

会社法第362条第2項で取締役会に以下の役割を求めています。

  • 業務執行の決定
  • 取締役の職務の執行の監督
  • 代表取締役の選任・解任

 

会社の基礎に関わる特に重要な事項、例えば定款の変更、取締役や監査役の選任、事業譲渡や組織の再編などは株主総会で決議しなければならないことから、株主総会の方が取締役会より上位の機関と言えるでしょう。

株主総会の種類

定時株主総会と臨時株主総会の2種類です。

定時株主総会

会社法第296条第1項で、毎事業年度終了から一定の時期に開催が義務づけられた総会です。

臨時株主総会

定時株主総会の時期に限らず、必要があればいつでも招集できる総会です。会社法第296条第2項で認められています。

必要な時点で開催されるものなので、決議事項はその時々で違います。

株主総会の決議事項

 

決議事項

具体例

会社の経営に関する重要事項

  • 定款の変更(会社法第466条)
  • 事業譲渡(会社法第467条)
  • 吸収合併などの承認(会社法第783条第1項)など

役員の選任・解任

取締役、会計参与、監査役、会計監査人の選任(会社法第329条)と解任(会社法第339条)

役員報酬

  • 取締役の報酬などの金額や計算方法
  • 会計参与と監査人の報酬額※定款で定めていない場合

株主の権利に関係する事項

  • 資本金の額の減少(会社法第447条第1項)
  • 剰余金の配当(会社法第454条第1項)

株主総会の開催時期

会社法第296条第1項より、定時株主総会は毎事業年度の終了後一定の時期に開催しなければなりません。

具体的に○月と決められているわけではないので、定款で定めることになります。

 

事業年度終了後3ヶ月以内に開催されることが多く、日本は3月に決算の会社が多いことから、毎年6月に実施される傾向です。

 

会社法第296条第2項より、株主総会は必要な時に開催できることになっています。

臨時株主総会は会社に関する重要事項について緊急で決議しなければならない時、取締役会の決定に応じて実施します。

株主総会の開催場所

開催場所は毎年同じである必要はありませんが、前年から大きく離れた場所で開催する場合は、会社法施行規則第63条第2項により、招集通知などに開催場所を決定した理由を明記しなければなりません。

ただし、以下の場合は絶対ではありません。

  • 定款で定められた場所
  • 開催場所について株主総会に参加しない株主全員の同意がある

 

会社法第298条第1項1号と4号により、取締役(株主が総会を招集する場合は該当の株主)が、オンラインかオフラインでの開催を決めなければなりません。

オンライン

3つのパターンが想定されます。

  • ハイブリッド参加型バーチャル株主総会
  • ハイブリッド出席型バーチャル株主総会
  • バーチャルオンリー株主総会

 

ハイブリッド参加型バーチャル株主総会は、物理的な会場を設けて、オンラインでの参加を認めた方式の総会です。オンラインでの参加者に議決権や質問権はありません。

 

ハイブリッド出席型バーチャル株主総会は、物理的な会場を設けて、オンラインでの出席を認めた方式です。オンラインでの参加者にも議決権や質問権がある点で、参加型とは異なります。

 

バーチャルオンリー株主総会はその名の通り、オフラインの会場を設けずにオンラインのみで参加できる総会です。産業競争力強化法第66条第1項で要件に該当する上場会社に限り、特例的に認められています。

 

以下がバーチャルオンリー株主総会を開催できる上場会社の条件です。

  • 下記全てを満たすことを経済産業大臣と法務大臣が確認している
    • 通信方法に関する事務の責任者の設置
    • 通信障害が起きた時の対策についての方針の策定
    • インターネット利用に支障のある株主への配慮についての方針の策定
    • 株主名簿に記載・記録された株主数が100人以上
  • 定款で定めている
  • 招集決定時に経済産業大臣と法務大臣の確認及びその他必要な要件を満たしている

▶関連記事:バーチャル株主総会とは?形式や開催方法を解説

メリット

  • 開催費用の削減
  • 遠方の株主も参加・出席しやすい
  • 感染症に配慮しながら開催できる

 

オンラインでの参加・出席を認めることで、会場の出席人数は少なくなるでしょう。会場での参加者が減れば会場の規模を小さくできるので、使用料を抑えられます。

 

会場との往復にかかる時間の心配がなくなることで、遠方の株主の方にも参加・出席してもらいやすくなるはずです。

出席者・参加者が増えれば、多くの人に過程を含めて会社の決定を知ってもらえます。開かれた総会となることを期待できます。

株主は、同時開催の複数の株主総会に参加しやすいというメリットも感じるでしょう。

 

新型コロナの流行は記憶に新しいですが、行動様式が戻りつつある2023年冬季には、インフルエンザが流行りました。

いつ・どのような感染症が広がるかは分かりません。しかし、オンラインでの参加や出席に対応していれば、感染症の流行期でも対策しながら総会を開くことができます。

デメリット 注意点

  • 通信トラブル
  • オフライン開催とは異なる負担がかかる

 

通信トラブルを想定しなければならないのは、バーチャル株主総会ならではです。

サイバー攻撃など企業側だけでは対処できない事態は起こり得ます。しかし、企業側が原因の回線トラブルが発生してしまうと、オンラインで出席している株主の権利を奪うことになります。

事前に十分なシステムを構築しておくことはもちろん、当日のトラブルに迅速に対処できるエンジニアも待機させましょう。

株主様側の問題でインターネット接続が不安定になるかもしれないため、すぐにバーチャル総会に戻れるよう、再接続の方法についても案内しておくと安心です。

 

開催費用は抑えられるものの、オンライン参加者・出席者をサポートするための人材確保は欠かせません。

オフライン

ホテル、イベントホール、貸会議室が定番です。なお、規模の小さい会社では会社本店会議室で行うことも多いです。

メリット・デメリット、会場を選ぶ際の注意点はそれぞれ異なります。

メリット

 

ホテルイベントホール貸会議室
  • 主要ターミナル駅の徒歩圏内などアクセスしやすい
  • 担当者や遠方の株主が宿泊できる
  • ホテル側に設営をお願いできる など
株主限定コンサートといった総会以外のイベントを実施しやすい
  • 最寄り駅近くにある所が多い
  • 会場のレイアウトを自由に変えやすい
  • 企業向けのイベントの設備・備品が揃っている など

 

デメリット 注意点

 

ホテルイベントホール貸会議室
  • 予約が取りにくい(株主総会の開催時期は重なりやすいから)
  • 開催日によっては利用料金が高い
  • ホールによっては最寄り駅から遠い
  • 総会以外にも使用されるため予約を取るのが難しい
  • 設営は企業側でやらなければならない
  • 設営をアウトソーシングする場合、費用がかさむ
  • 複数の会議室を借りなければならないことも(借りる部屋が増えるほど費用も高くなる)

 

どの会場も一長一短であることを踏まえ、会場を選ぶ際は以下を意識してみてください。

 

  • アクセス性
  • 見込み来場者数に対応できる規模
  • 必要な設備が揃っている

 

過去の資料を参考に、見込まれる来場者数を十分収容できる会場か否かチェックしましょう。

総会日に空いていることはもちろん、前日にリハーサルも予定しているのであれば、リハーサル日から連続して予約が取れることも必ずご確認ください。

控室も確保できる会場だとなお良いです。

株主総会決議の種類

決議事項によって以下の3種類に分類されます。

  • 普通決議
  • 特別決議
  • 特殊決議

 

それぞれ可決要件なども異なります。

普通決議

役員の選任や解任、報酬など、株主総会決議で一般的な手段です。

特別決議

定款変更や事業譲渡といった重要度の高い事項の決議に用いられる手段です。

特殊決議

特別決議の決議事項以上に重要な事項の決議に用いられる手段です。

株主総会開催までの流れ

  1. 招集通知
  2. スケジュールの作成や想定問答の用意などの事前準備
  3. 株主総会の実施

 

開催前に招集通知をしないといけません。

開催日時や場所などの通知が必要となるため、通知する前に取締役会で以下を決める必要があります。

  • 日時・場所
  • 株主総会の目的
  • 会社法施行規則第63条で定めた事項
  • 出席しない株主の書面、または、電磁的方法による議決権行使を認める場合、認める旨

 

通知期限は会社法第299条第1項で決められています。公開会社は開催日の2週間前、非公開会社は1週間前までです。

 

会社法改正で2023年3月以降に実施の株主総会から、株主総会資料は電子提供制度が適用されています。自社のホームページなどに資料を掲載、URLの通知をもって資料を提供できる制度です。

資料は遅くとも開催日3週間前までには閲覧できるようにしておかなければなりません。

株主は、制度が始まる前よりも早く資料を確認できるようになりました。会社は、資料の用意や送付にかかる手間・費用の軽減という恩恵を受けられます。

株主総会の進行方法

会社法第315条より、議長が進行を務めることになっています。

当日は以下の流れで進めます。

 

  1. 議長就任
  2. 出席株主数と議決権数の報告
  3. 総会成立の確認
  4. 開会宣言
  5. 議事進行に関する説明
  6. 監査報告
  7. 事業報告、計算書類の報告
  8. 議案の説明
  9. 質疑応答、審議方法の決定
  10. 採決
  11. 審議終了
  12. 閉会宣言

 

オンライン・オフライン共に流れは共通で、会社の報告と議案の説明を受け、株主からの質問に答えてから決議を採る、という進め方が一般的です。

 

大企業だと開会から閉会まで2時間程度が目安です。予定を大幅に超過しそうな時は、質疑応答を途中で止めなければいけないこともあります。

 

議長に従わない人がいると進行が妨害されます。円滑な総会のため、会社法第315条第2項より、議長は命令に従わない人や秩序を乱す人を退場させることのできる権限を持ちます。

株主総会の決議方法 多数決

決議は基本的に多数決で決まります。

ただし、必要な賛成の数は決議の種類で異なります。

普通決議

会社法第309条第1項で賛成数と定足数(議決に必要な最少人数)を定めています。

 

賛成数

定足数

議決権を持つ出席者の議決権の過半数以上

議決権を行使できる株主の過半数

 

定足数については定款で緩和することができます。

特別決議

会社法第309条第2項で要件の記載があります。

 

賛成数

定足数

議決権を持つ出席者の議決権の

3分の2以上

議決権を行使できる株主の過半数

 

重要度の高い事項を決議するため、可決要件が普通決議以上に厳しいです。

特別決議でも定足数の緩和はできますが、定足数も普通決議ほど緩和することはできません。定款で定めることのできる定足数は、議決権を行使できる株主の3分の1以上までです。

特殊決議

決議事項に応じて、要件は2つに分けられます。



  • 発行する株式の全部について譲渡制限を設ける旨の定款変更
  • 消滅する公開会社が既存の株主に対して譲渡制限株式を交付する際の吸収合併・株式交換計画・新設合併計画・株式移転計画についての承認
剰余金の配当を受ける権利、残余財産の分配を受ける権利、株主総会の議決権について、株主ごとに異なる取り扱いを行う旨の定款変更の承認
賛成数定足数賛成数定足数

議決権を持つ出席者の議決権の

3分の2以上

議決権を行使できる株主の過半数総株主の議決権の4分の3以上総株主の半数以上の出席

 

会社法第309条第3項と第4項でそれぞれ定められています。

いずれも定款で緩和できませんが、上回る割合を定めることはできます。

株主総会の準備

株主総会は、招集通知を発送してから株主総会当日まで何もしなくても円滑に実施できるものではありません。

招集通知はもちろん、日程調整や会場の予約、当日のスケジュールのシミュレーションと想定される質疑応答を踏まえたリハーサルなど、やるべきことは数多くあります。

 

定時株主総会の場合、会社法第437条で計算書類・事業報告を株主に提供しなければならないとされています。必要書類も忘れずに用意しましょう。

株主総会議事録は電子化できる

株主総会終了後に求められるのが株主総会議事録です。

会社法施行規則第72条を読むと、議事録の電子化が認められていると分かります。

株主総会議事録の電子化の方法

株主総会の電子化にはいくつか注意点があります。しかし、議事録なら電子的方法で作成・保管できれば、電子化に対応できます。

 

取締役会議事録だと会社法第369条第4項と会社法施行規則第225条により、議事録であっても電子化したら電子署名が必要です。

一方で株主総会議事録は原則、署名が不要なため、電子化のハードルが低いでしょう。

 

電子契約サービスを提供する事業者の中には、議事録の作成から保管まで対応しているものもあります。電子作成・保管に対応したサービスを導入することで、すぐに電子化に対応できます。

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株主総会議事録電子化のメリット

議事録には保管期間があります。本店には株主総会の日から10年間、支店には株主総会の日から5年間写しの保管が求められます。

電磁的記録をしていれば、保管場所の省スペース化を図れます。

 

印刷代や送付にかかる費用の節約、手間を省けることは、電子提供制度の株主総会資料と同様です。

社内での共有、ミスがあった時の修正・確認などがスムーズになるため、業務効率化にもつながります。

文書の経年劣化や紛失のリスクを減らせるといったメリットもあります。

まとめ

株主総会とは会社に関する意思決定の最高機関です。

ただし、招集通知など開催には手間がかかります。そこで、取締役会設置会社であれば、会社法と定款により、決議の範囲を限定しています。

 

定時株主総会は、毎年6月に開催される傾向です。場所はオンライン・オフラインどちらでも構いません。

 

株主総会資料の電子提供制度が始まりました。制度を利用することで、電子化のメリットを実感した方も少なくないと思います。

 

取締役会議事録は電子署名が必要ですが、作成が義務化されている株主総会議事録は、電子署名が必須ではありません。

ただし、株主総会議事録も電子署名が必要となるケースがあります。

両者の電子化はもちろん、電子署名にも対応している電子文書作成サービスなら、電子化の導入が簡単で、業務効率化も実現しやすいでしょう。

 

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