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ノウハウ 【第2回】契約マネジメントが日本企業の「部署間連携」「管理体制」「属人化」の課題を解決する

更新日:2024年05月16日

投稿日:2020年04月30日

【第2回】契約マネジメントが日本企業の「部署間連携」「管理体制」「属人化」の課題を解決する

【第2回】契約マネジメントが日本企業の「部署間連携」「管理体制」「属人化」の課題を解決する

※本記事は株式会社翔泳社の運営するWebメディア「Biz/Zine(ビズジン)」に、2020年2月28日に掲載された、弊社寄稿原稿の転載です(運営元の株式会社翔泳社より承諾を得て掲載しています)。

第1回は、日本で盛り上がりを見せる様々なリーガルテックを分野別にご紹介し、その中でも中心となる「契約マネジメント」の概要について触れました。

契約のない企業はありません。契約書は案件や事業の説明書であり、契約は事業そのものです。したがって、各企業が抱える契約上の問題・課題は、そのまま事業へと影響します。

今回は、契約書に限らず、契約交渉や契約後の履行・契約にまつわる業務など、“契約”に軸を置きながらも、法務にとどまらない幅広い部門の業務をカバーする「契約マネジメント」が、日本企業における契約業務の課題をどのように解決するのかについて解説します。

【第1回】企業における“契約”の課題を解消し、ビジネスをドライブさせる「契約マネジメント」とは?

 

日本企業が抱える“契約”にまつわる3つの課題

そもそも、日本企業は契約にどのような問題を抱えているのでしょうか。

企業で散見される契約の課題を3つご紹介しますが、いずれも法務だけの問題ではなく、営業や購買、開発、人事といった部門にも関わってくるものです。

部署間の連携が取りにくい

企業規模が大きくなるほど、部署単位での縦割り管理になっていきます。これは、企業の成長を考えると自然な流れではあります。


しかし、誰が何をやっているのか部署間で把握しづらかったり、コミュニケーションが取りづらかったりといった問題が生じます。それは契約に関しても同様です。1つのプロジェクトに様々な部署・担当者が関わる際は、プロジェクト単位で経緯や進捗を管理するのが理想です。


しかし、各部署は自分に振られたタスクをこなすのみで、部署間の連携が上手く取れていないケースが散見されます。

 
 
 

 

これは、“契約”というプロジェクトでも同じことがいえます。


「契約書のやり取り」だけでみても、事業部側は、どんな契約条件で交渉すればよいかわからず、法務部側は、渡された契約書がどんな案件のもので、どういった経緯で作成されているのかわからず自社のリスクを適正に判定するに足るレビューができません。部署間のコミュニケーションが取りにくいことによって起きる契約上の問題が様々な形で発生しているのではないでしょうか。

契約書の管理体制が万全でない

あなたの勤めている企業の契約書管理はどのような体制になっていますか?


よくあるのは、締結済みの契約書をPDFにはしているものの、Excelで管理台帳を作って必要な情報を登録し、そこに契約書データベースのURLを貼り付ける、というものです。


 


これなら必要な時に契約書を探し出すことはできますが、Excel台帳を手動で更新し続けなければならず、メンテナンスの手間やヒューマンエラーのリスクと常に隣り合わせです。


また、どのような経緯で契約が成立したのか、どんな要因で契約書が修正されたのかといった、交渉・審査の状況をあとから振り返ろうと思っても、メールやチャットツール、Word内のコメントに散らばっていたり、そもそも口頭ベースで行われているため経緯自体が残っていなかったりすることもあります。

業務が属人化してしまう

また、各業務の担当者は、日常業務から経験や知見を得ています。しかし、これが他人と共有される機会はそう多くはありません。

それぞれの業務の担当者に経験と知見が溜まっていくだけで、部署内の他の人や関係する他部署の人たちはそれを享受することができないわけです。特に、経験の浅い若手はそのような知見を得るのが難しく活躍しにくい環境になってしまいます。



また、様々な社員に有用な知見が情報として公開されていないことにより、知見を持っている人に対して異なる相談者から何度も同じような質問が来るといった非効率な状態も生じてしまいます。

「契約マネジメント」は、最初に挙げたような日本企業における契約の課題を解消していくものです。

契約マネジメントが実現する“契約業務の最適化”とは

前述のように、契約に関する問題は山積みです。

明確に意識することはあまりないかもしれませんが、契約を適切に管理できていないと、本来その企業が持っているポテンシャルを活かしきることができません。売上に影響したり、大事なリソースを失ったりすることにもつながる問題なのです。

契約マネジメントとは、“契約”を軸に契約書や関連する情報や業務をまとめたり、各業務のつながりを最適化したりすることです。

背後には、契約は、契約を締結するその瞬間だけでなく、契約の検討開始〜交渉〜締結〜権利の確保と義務の履行まで、という時系列で捉える必要があります。

さらに、企業においては、様々な部署・担当者が連携しなければ、契約は実現できないという場合もあります。



契約マネジメントは様々な要素から構成されますが、主なものとして

  • 契約ライフサイクルマネジメント
  • リーガルプロジェクトマネジメント
  • ナレッジマネジメント


という3つの構成要素があります。それぞれを詳しくみていきましょう。

契約ライフサイクルマネジメント

「一度結んだらそれで終わり」という契約はほとんどありません。

多くの契約は、覚書等による内容の変更があったり、更新による期間の延長があったり、逆に中途解除がされたりという“時間的要素”を含んでいます。

このような契約の「ライフサイクル」を管理しようというのが、ライフサイクルマネジメントの考え方です。

契約ライフサイクルマネジメントを実現することにより、契約の開始時期、期間、更新の有無や期限・期間、定期的な権利取得/義務履行の時期といった様々な要素を全て一元的に管理できます。



これにより、一つひとつの契約を確実に把握することができ、契約に係る権利や義務からの逸脱や更新タイミングを逃すといったミスを未然に防ぐことができます。

リーガルプロジェクトマネジメント

同じように、契約はどこか一場面を切り取っただけでは管理しきることができません。



契約には、以下のような管理すべき要素があります。

  • 契約内容を検討し、交渉、締結するまでのスケジュールやスピード感
  • 結ぼうとする契約に潜む法的リスクの有無や度合い
  • 「事業部」と「法務部などのバックオフィス」が共有するためのコミュニケーション
  • 契約にかかるコストの管理
  • 契約を結ぶために必要な業務フローや承認
  • 契約締結後、実際に契約通りの権利確保や義務履行が行われているかの追跡
  • ライフサイクルに応じて発生する変更や更新等の業務 など

1つの契約をとるだけでも、これほど多岐にわたる要素があるのです。しかも、ある案件について複数の契約が絡み合う事例は枚挙にいとまがありません。

たとえば「家を借りる」ための契約でさえ、賃貸借契約の他に火災保険契約や家賃保証契約などを結ばないと、実際に家の鍵をもらうことはできないのです。

こうした特質を備える契約を、1つの「プロジェクト」として捉え、それぞれの契約やそれに紐づく情報を意味のある形でまとめて管理していく考え方が、リーガルプロジェクトマネジメントです。


この考え方によって、ある契約がどのフェーズ(検討、交渉、締結前、締結後など)にあるのか、その案件にはどんな契約があり、それぞれどのような関係性を持っているのか、契約遂行のためにどんな業務を行う必要があるのか、といった契約にまつわる様々な要素を、意味のある形で横断的に把握できるようになります。

ナレッジマネジメント

次に「業務の属人化」に焦点を当ててみましょう。

業務の属人化による課題は、業務から得られる知見を外から見ることができないという点にあります。

ナレッジマネジメントは、属人的に溜まっているナレッジを外から見える形で吐き出す仕組みを作り共有し、必要な人が必要な時に必要な情報に触れられる環境を作る考え方です。これは、ある業務に関する知見を“ナレッジ”として吐き出して共有するだけにとどまりません。


たとえば、

  • 定型的な取引における業務フロー自体を見える化して、自分がどの業務をどんな形でやればよいのかをわかるようにする
  • 過去に行った類似の契約についてのやり取りを残しておき、似たような商談や案件が発生した時に、あとからいつでも振り返ることができるようにしておく などです。

ナレッジマネジメントの成功により、新人教育の適正化だけではなく過去の案件から得られた知見を契約業務に関わる全ての方で共有できるようになるためビジネスの成長にまで寄与する力を持っています。


ContractS CLMは、契約業務における属人化解消、契約管理、契約ライフサイクルマネジメントをサポートするシステムを提供しています。詳細な機能や、効果についての資料を無料でダウンロードできます。


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契約マネジメントが企業にもたらす4つのメリット

このような要素を兼ね備えた契約マネジメントの考え方を取り入れることで、縦割り組織の多い日本企業では様々なメリットが生まれます。

  • 部署間のコミュニケーションがスムーズになり、事業スピードを上げることができる
  • 誰がどういった契約関連業務を担当しているのか、契約に基づいて業務を遂行する担当者がリスクを引き起こしていないかなど、契約そのものの「見える化」ができる
  • 散逸しがちな契約書や契約に関連する情報・知見を一か所にまとめることで、必要な情報を必要な時に必要な人が取得できるようになる
  • 権利義務の抜け漏れや更新管理の不徹底、不十分なリスク管理体制といった状況を改善して、確実な内部統制とリスク管理につなげることができる  などです。

企業は、例外なく無数の契約が積み重なってできています。ビジネススキームや事業形態も複雑化し、事業スピードも加速を続ける中、契約マネジメントの体制の整備はまだ、という企業も多いのが現実です。



これからさらに複雑化する現代社会で競争力を保つためには、抜本的な契約管理体制の見直しを図ることが必要です。そんな中、日本でもリーガルテックのサービスが相次いで登場し、法改正や裁判のIT化の波も相まって、契約領域のデジタル化により業務効率向上を図る企業が増えています。

事業部門と法務部門の協力が必要な契約プロセスの再構築

契約マネジメントは様々な要素から構成されています。

 

これを企業の契約業務という視点から整理すると、企業が契約マネジメントを実践するためのアプローチとして、以下の2つが見えてきます。

  • 契約プロセスの構築・アップデート
  • 契約管理基盤の構築

契約プロセスの構築・アップデート

1つ目は、それぞれの企業にとって最適な契約プロセスの姿を構築、またはアップデートをするという方法です。

 

1つの契約が成立するまでには、事業部が取引先と交渉をしつつ、事業部と法務部門とがやり取りをするという三者構造が生まれます。そして、企業内の契約プロセスの主な流れは、契約に関する相談→契約書作成・修正→社内稟議・決裁→契約締結→契約書管理となるのが一般的です。

 

 

多くの企業は、相談をメールやチャットツールで受け、Wordなどの編集ソフトで契約書を作成・修正します。そして、ドラフトは個人のPCや共有サーバーで管理、社内稟議は稟議書を回したり汎用ワークフローシステムを使ったりという対応をしているはずです。

 

その後、契約書を郵送でやり取りし、締結済みの契約書はファイリングするとともにスキャンしてデータベースに保管しつつExcel等で作った台帳で管理しているのではないでしょうか。

 

この一連のフローには、下記のような問題点があります。

 

  • 各プロセスにおいて用いるツールがばらばらで、情報が散らばってしまう
  • 契約と経緯が紐づかないため、担当者変更やトラブル対応のためにあとから契約書や関連情報を振り返ろうとしても、必要な情報にたどり着くのが難しく手間が重なる
  • 契約プロセスが開始してから契約締結までに時間がかかり、取引相手を待たせてしまう

このようなフローから契約プロセスを構築もしくはアップデートするのであれば、以下3点のポイントをおさえることが有効です。

 

  • 使うツールをできるだけまとめる
  • 契約書とそれに紐づく関連情報が“自然と”紐づく形にする(手動でログを残す形にすると手間が発生するため、経緯がそのまま保存できるようになるのが望ましい)
  • 一つひとつのプロセスがどのような目的で行われているのかを再検証し、省力化できるものはプロセス自体を再設計する

契約管理基盤の構築

2つ目は、契約管理の体制を見直して、必要な情報を・必要な時に・必要な人が取りにいける環境を構築するというアプローチです。

 

「契約管理」とひとことで言いますが、その作業は以下の3ステップに分かれます。

 

  1. 文書管理
  2. ライフサイクル・マネジメント
  3. 案件単位・事業単位等での関連契約マネジメント

文書管理

まずは、一つひとつの契約書を適切に管理する「文書管理」のステップです。

 

契約当事者、契約期間、契約金額、契約内容の概要、担当者といった諸情報をピックアップしておき、あとから契約書を探すときにはその情報からたどり着けるようにする、という仕組みを構築する必要があります。

 

また、このときに重要なのが「更新期限の管理」です。契約によっては更新期限が設定されており、これを正確に把握できないと、不要な契約が延びたり必要な契約を同一内容で更新できなかったりといった事象が生じる可能性があります。更新期限を設定しておき、担当部署・担当者に対して自動で通知を飛ばす仕組みができるとベターです。

 

 

ライフサイクル・マネジメント

次は、ライフサイクル・マネジメントです。

これは前回も触れた内容ですが、契約は一度結んで終わりではなく、内容の変更や更新などによって時間軸をともなって刻々と変化していきます。このとき、直近に結んだ変更や更新の覚書だけを見ても、契約自体の全体像を把握することはできず、最初に取り交わした契約書からいままでの内容を追っていく必要がでてきます。このときに必要なのが、契約書とそれに関わる情報の紐付けです。

 

 

その際にはただ紐付けをするだけでは不十分で、先後関係がわかる形で結びつけていく必要があります。そうしなければ、現在の契約の姿を正確に把握することができないからです。

 

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案件単位・事業単位等での関連契約マネジメント

さらに、複数の取引先との契約が絡まり合いながら進んでいくようなビジネスモデルのある企業にとって「案件」「事業」という視点で、契約をマネジメントしていくことも重要です。

 

1つの取引先との契約だけを見ていても、案件や事業の全体像はなかなか見えてきません。複数の契約の集合である事業、案件単位で契約情報を集め、意味のある形で整理する必要があります。

なぜ今契約DXなのか

ここまで、企業が抱える契約業務に関する課題と、それを解決するアプローチについて述べてきましたが、なぜ「いま」それらを契約マネジメントで実現すべきなのでしょうか。

 

その理由は、3つあります。

 

一つ目は少子高齢化が進み限られた人数で業務をこなす必要があること。2つ目は、効率化、無駄の削減が求められていること。3つ目は、高度で複雑なデジタル化が進む現代社会に対応するにはデータをうまく活用したビジネス成長が必要であることです。

 

既に、営業職の人々がCRMやSFA、MAを使って営業活動の効率化・質の向上を図ったり、業務効率化のツールとしてRPAによる一部業務の自動化が行われたりしてきました。バックオフィス系の業務領域も、たとえば財務や経理の領域にはフィンテックが入り込み、人事の領域にはHRテックのソリューションが現れてきています。

 

これに対して契約の領域は、テクノロジーによるアップデートが遅れていました。しかし、ここ数年で日本でもリーガルテックが盛り上がりを見せはじめています。

どのように契約DXが導入されるか

契約領域のDXは、他の領域のDXと異なる特徴があります。

 

先ほど例示したものは、いずれのソリューションも各部署単一の動きに対するものです。一方で、契約領域のDXは、契約に関する特定部門(たとえば法務部)だけのものではなく、企業に属する複数の部署や従業員が関わるものです。法務部門の契約業務のみにアップデートをかけても、契約プロセスのある一部分に対する特化型の解決策で、その効果は限定的となります。

 

また、複数部署の連携を前提として何らかのツールを導入しようとすると、各部署のパワーバランスの影響があったり、それぞれの部署の日常業務を客観的な視点で捉えることが難しいなどの問題が生じます。

 

複数部門がまたがるDXへの取り組みでは、大きな変化を一度に許容する負荷を減らすため、はじめに少ない部署だけでSaaSを導入してみて、使用感を確かめた上で全社展開をしていくという方法がとられます。

 

SaaSは、導入が簡単、利用規模の拡大にも柔軟に対応できるという特徴があり、DX導入には分があります

 

また、各部署から一定の距離感を保ち、かつ一定の影響力のある「経営企画部」や「DX推進部」などの部署が主導したり、「契約業務改革プロジェクト」などのチームを複数部署(事業部、法務部、総務部など)の連携により立ち上げて検討を進めたりする方法もあるでしょう。

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契約起点で「ヒト・モノ・カネ」を管理する未来

契約領域のDXにおいて重要なのは、契約プロセスの構築契約管理基盤の構築です。この2点に着目して自社の業務を見直し、改善できる部分からアップデートを進めていくのが得策です。

 

契約を主体にすることによって、トラブルに繋がりかねない条件の抜け漏れが防げるようになり、ビジネスの成長へつなげることができるようになります。

 

当社の開発する契約ライフサイクルマネジメントシステム「ContractS CLM」は、業務プロセスの改革により無駄、手間を削減し効率化を図るだけではなく、事業に関わる周辺システムとの連携を通してデータの活用でビジネスの成長につながる環境を作ります。

【第1回】企業における“契約”の課題を解消し、ビジネスをドライブさせる「契約マネジメント」とは?

契約の管理体制、属人化、部門間連携、期限管理など
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